シチュ的には最高 ページ9
*
仄かな月明かりの下、男女二人。
何も起こらないはずがなく.......。
そんな都合のいい展開はありません。この小説はあくまで健全を掲げてるからね。いや、その気になればそういう感じにならなくもないらしいけど。
それはまあおいといて。
「先程はお騒がせしました。お手を煩わせてしまい、申し訳ありません。」
「あ、あぁ....うん、気にせんといて。」
まあわざとなんですけどね(すっとぼけ)
戸惑いながらもへらりと笑う彼は一見すれば好感が持てそうな印象だ。しかしながら、どうにかして打ち解けようとしているとも受け取れる。大方情報収集かな。言ってしまえばこの国は奇襲一つで滅びる自信があるくらいにはガバガバだ。全く、平和ボケもいいとこだ。
例えるなら仕掛けようとして逆に仕掛けられた逆ドッキリ的な仕打ちをくらったこの男性。改めてみたら、前世で腐る程見たファンアートにそっくりなんですよね。
「申し遅れました。私Aと申します。」
「...えーと...鬱、言います。」
これで事実は明確となったわけだが。
前々からおかしいとは思ってたんだ。寧ろ見て見ぬふりをしていただけだったのかもしれない。明らかに地図上には載ってなさそうな国の名前は確かに耳にはしていたのだ。
ご飯の具に合いそうな国に、白いあの食べ物を彷彿させる王国、青い怪物が出ると噂されてる国、エトセトラ、エトセトラ。
その中に界隈では馴染みのあるロゴが入った国があったような、なかったような。
「.....鬱、さんは何故此処に?」
「僕?あー、うん。ちょっと一服しよう思てな」
ああそういや煙草持ちデフォでしたね。
発言からしてダウト。此処には指定の喫煙所が存在する。普通なら其処を利用すればいいものを、彼は態々人目のつかない此処を選んだ。それが何を意味するのか。それは言わずもがな。
これで確信が持てた。先程の視線は彼だ。
「それで――Aちゃんは何しとったん?」
「酔いを覚まそうと、風に当たっておりました」
「.....ふぅん、じゃあ――」
さも探偵の如く探るような瞳に思わず怯みそうになる。深い海みたいな双眸が細められたかと思えば至近距離に彼の顔があって。
「____僕が覚まさせたろか?」
囁かれた言葉は、思考を停止させるには充分過ぎた。
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にゃーちゃん - 初コメ失礼します!めちゃくちゃ面白くて一気読みしちゃいました…!!osmnかわええ…しゅき…(脳死)更新頑張ってください。楽しみにしてます! (4月28日 2時) (レス) @page40 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 続き待ってます! (2023年1月11日 11時) (レス) id: ba7a9ff8a1 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - アリスさん» ありがとうございます。筆が乗り次第、頑張っていきます。 (2022年10月14日 1時) (レス) id: 988d605ba2 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - necoさん» コメントありがとうございます。無理しない程度で頑張りたいです。 (2022年10月14日 1時) (レス) id: 988d605ba2 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 下の方に同意です!!久しぶりの更新嬉しくて心臓止まるかと思いました!!!ありがとうございますこれからもがんばってください!! (2022年9月16日 14時) (レス) @page38 id: 7c87ff4c21 (このIDを非表示/違反報告)
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