ハニトラされたので騙されることにした。【d!】

空気読め ページ34

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ペリドットの両眼に、茶色のざんばら髪。
細い鼻筋に、比較的健康な肌。

押し倒した(語弊)勢いで脱げたフードから見えた素顔はやはりというか、美形の部類に入る顔立ちをしていた。




(.......さて、)





ここからどう畳み掛けるかが重要だ。
酷く狼狽している辺り、主導権はほぼこちらが握っていると言ってもいいだろう。ちょっと力を入れれば押し返せる体勢なのに、それに気付かないとは。それほど冷静さを失っているということか。
...とは言っても、一時的に、だが。



言わずもがな、私と彼では圧倒的に体格差がある時点で、勝敗は決まっているようなものだ。口での喧嘩でならどうにかなるが、手を出されたらお終いだ。

というか、力という名の凶器を捩じ伏せるほどの脅しのネタも話術も持ち合わせていないのにどうしろというのか。


考えろ、考えるんだ。


どうにかして、この場を切り抜ける画期的な方法を――






ぐぅううぅうう







(.......は？)





たった今、この場に似つかわしくない雑音が入ったんだが？？
え？？

まさかこの状況で、腹の虫が鳴ったとかそんなことあります？？
.....いや、ないな！！()
流石にそんな、空気読まないような真似をする輩なんているわけ、





｢なぁ腹減ったんやけど｣





(空気)読めよ！！！

断じて絆されてはない→←揶揄い上手

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