いっそ殺してくれ ページ24
＊
｢...よ、よかったな大先生...｣
｢ぐふっ...｣
おいコラ肩震えてんのバレてんぞお前ら。
もうええわ....笑えよ、笑えや。
恋は盲目、なんて。自分には無縁だと思ってたが、どうやら違ったらしい。
そりゃあ人間それなりに恋だってする。
普段、屑だの無能だのと称されてる俺とて純粋な時期はあった...と、思う。
時の流れというのは残酷だ。いつからか、女を取っかえ引っ変えするようになって。慈悲も罪悪感さえも、微塵も感じなくなった。
それなのに、今の僕はどうだ？
｢――面白いお方｣
何でもない、彼女にとってはとりとめのない一言だったのかもしれない。幾度となく異性にだって触れてきたし、触れられてもきた。
けれど、一回り小さな手が僕のそれを包み込んだ時。彼女の体温を直に感じた時。彼女が、儚くも美しく、笑ってみせた時。
僕は、確かに冷静さを失っていた。
心臓が嘗てないほどに早鐘を打った。
満足に息など出来ないくらいに視界が眩んだ。
触れられた手が、躰の奥全てが、あつかった。
これが何なのか、なんて。考えずとも理解できた。渦巻いてるこの感情に気づけないほど、僕は疎くなかった。
まさかって思うやろ？
僕やって信じられんかったよ。
たった一人の女の子相手にこんなに振り回される日が来るなんて、夢にも思わなかった。
思い出す度赤くなるとか、乙女か何かか僕は。
こんなん、認めるしかないやん。
だからこそ、誰にも気づかれたくなかったというのに。仲間に勘づかれるほど、今の僕はわかりやすいらしい。
_____
｢ああ、そういえば、これはオスマンからの報告なんだが――｣
｢.......は｣
悪友であり、仲間である彼の一言に一瞬で頭が真っ白になる。行き場のない怒りも、恥じらいも、最早どうでも良かった。
仲間からは散々弄られ夕餉のネタにされたが。
からかいの言葉も、煽りの言葉でさえも耳を通り過ぎていくだけだった。
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にゃーちゃん - 初コメ失礼します！めちゃくちゃ面白くて一気読みしちゃいました…!!osmnかわええ…しゅき…(脳死)更新頑張ってください。楽しみにしてます！ (4月28日 2時) (
レス) @page40 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 続き待ってます！ (2023年1月11日 11時) (レス) id: ba7a9ff8a1 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - アリスさん» ありがとうございます。筆が乗り次第、頑張っていきます。 (2022年10月14日 1時) (レス) id: 988d605ba2 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - necoさん» コメントありがとうございます。無理しない程度で頑張りたいです。 (2022年10月14日 1時) (レス) id: 988d605ba2 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 下の方に同意です！！久しぶりの更新嬉しくて心臓止まるかと思いました！！！ありがとうございますこれからもがんばってください！！ (2022年9月16日 14時) (レス) @page38 id: 7c87ff4c21 (このIDを非表示/違反報告)
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