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黒田「あいつもう末期どころか終わってんな」
...
黒田「え、泣いてる?」
「泣いてない」
黒田「泣きそうじゃん」
「なきそうじゃないもん…っ」
壁にもたれかかった黒田くんに核心を衝かれ、我慢していた涙が溢れてしまった。
黒田「待ってごめんごめん、泣かないで」
本当に泣くとは思っていなかったらしい黒田くんは、慌てて壁から背中を離し目の前に来た。
「あんなこうせい はじめてみた」
黒田「マジ?」
「もうきらわれちゃったのかな。わたしが自立しないから…」
恥なんて忘れて、子供みたいに泣きながら言葉を紡いだ。
しどろもどろになり話す私の言葉を聞きながら、涙をパーカーの袖で優しく拭いてくれる黒田くん
黒田「むしろ逆だと思うけど」
「…なにそれ?」
黒田「ん?教えない(笑)」
「黒田くん意味わかんないことばっかいう、いじわる」
黒田「いじわるで良いから、そろそろ泣き止めよ(笑)」
顔を覗き込みそう言う黒田くんに おでこをコツンと叩かれた。
誰かが階段を登ってくる音が聞こえたから、通り過ぎるのを待ってから降りようと壁側に寄ると 現れたのは深田くんだった。
深田「え、Aちゃんと… って!どしたん!?」
私の顔を見るや否や驚く彼は、怪訝な顔で黒田くんを見た。
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作者名:夜這 | 作成日時:2023年3月28日 17時