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抱き合ったのは、狼ゲーム以来な気がする。
ただ、以前よりも抱擁はずっと気恥ずかしくて、照れくさい。
恐らく、命の駆け引きなんてものが今回はないからだろう。これはただのゲームなんだ。
「こ、コウ、あの」
「少し黙ってくれ…」
それはコウも同じらしかった。
照れたような声音を聞いて、一気に顔が熱くなる。
「なんか俺たち、ちょっと邪魔かな？」
「そうだね、席外そうか♪」
「そうね♪」
ユキたちはニヤニヤと笑みを浮かべながら、さっさと自室に戻ってしまった。
2人きりになってしまった私たち。
そのまま離れようと試みるが、男らしく力強い彼が話してくれることがない限り私から離れることはできない。
「…俺は、」
しばらくして、ようやくコウが口を開いた。
何を言うのか分からないのに、何故だかその先を聞くのが恥ずかしい。
私は身動き一つできないまま、彼の言葉を待った。
「…お前が…」
緊張と恥ずかしさで息が詰まりそうだ。
「…お前のこと、が…」
また、しばらくの沈黙。
コクリと息を飲む。
そして。
「……やっぱり、なんでもない」
彼は、その先の言葉を言わなかった。
何故だかは分からない。でも、言わなくてよかったとも思った。
こんなゲームの延長上で、聞くことじゃない気がするから。
コウがゆるりと力を抜いて、スルリと私たちは互いから離れる。
そんな時、リビングへと戻ってきたリンタロウくんが割り箸を片付けにきた。
「あ、終わった？」
「う、うん」
「へぇ…♪」
によによと笑うリンタロウくんを見て、また顔が熱くなる気がして、私は足早に自室に逃げ込んだ。
くそう、リンタロウくんめ。
もう王様ゲームなんてしないから…！
そう心に決めた翌日、私とコウはしばらくそのネタでいじられることになる。
「はぁ…コウくんの意気地なし」
「グッ」
そして、結局何も言えなかったコウがリンタロウに蹴りを食らっていたのは、また別の話である。
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麗紅花(プロフ) - 此処まで読んできましたが……不幸な終わり方ではなく、正しい道を貫く事を選んでからの幸福になるエンドで良かったです！（←語彙力がオカシイ……）。しかも、番外編的な続編もあって良いと思いました。「是非とも続きを！」と思いました。機会があれば、お願いします (2022年12月13日 16時) (
レス) @page23 id: ba1809d3dd (このIDを非表示/違反報告)
黒我 - 今更なんですが……とても面白かったです！！もし続きがあるのであれば楽しみにしております！！ (2021年11月12日 21時) (レス) @page23 id: 4b03b5f44e (このIDを非表示/違反報告)
アヤノ(プロフ) - 海月猫さん» ありがとうございます^ ^頑張ります！ (2019年6月19日 0時) (レス) id: a5f5162e93 (このIDを非表示/違反報告)
海月猫(プロフ) - 面白かったです！これからも頑張ってください！ (2019年6月18日 0時) (レス) id: db1e8d80c6 (このIDを非表示/違反報告)
桜音 - 下に書かれている方が居ますが、オリジナルフラグはちゃんと外しましょう。スタジオわさびさんに失礼ですよ。 (2019年1月17日 14時) (レス) id: 257d7b43bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アヤノ x他2人 | 作成日時：2018年6月22日 12時
