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そんなわけで、Aはリンタロウの部屋を訪れていた。
「リンタロウ〜、いる？」
「A姉さん？」
ガチャ、とドアノブが鳴って扉が開かれ、リンタロウがひょこっと現れる。
「どうしたの？」
「買い物に出かけたいんだけど、リンタロウ手伝ってくれない？」
お願い！と手を合わせると、リンタロウは言葉を詰まらせ目を彷徨わせた。
「えっと…ユキナリとは一緒に行かないの？」
「ユキは
「ふぅん…」
ジロ、と疑うように見つめるリンタロウ。
それをニコニコと清々しい笑みで受け流すA。
「コウはどこに行ったの？」
「パソコンとにらめっこ中。今忙しいって」
嘘つけ。
今のコウはA姉さんの為なら絶対すっ飛んでいくぞ…。
この時リンタロウは、頭の中でコウが彼女の為にノートパソコンを秒で閉じて支度を済ませる光景を想像して、ぶるりと身を震わせた。
あのコウに、まさかこんな想像をさせられるなんて。
まぁ、何にせよ、最強の姉にちょっとやそこらの脅迫にも似た懐疑を向けたところで、彼女が隙を見せる筈もない。
しばらくして、はぁと溜息を吐いたリンタロウは頭をかいた。
「分かったよ。行けば良いんでしょ。
A姉さんの事だし、大荷物になるんでしょ？」
「さっすがリンタロウ！そうなの、2週間分の食材を買うから1人じゃ持ちきれるか不安で…」
「いやいや、1人で2週間分は無理でしょ…！？」
というかそれは傷むだろ。
2週間後に食品がダメになってませんように、と、明らかにベクトルの違った望みを抱きつつ、リンタロウはAの買い出しについていくことにした。
・・・
「あとはコレと、あとコレと…」
それから、数時間後。
リンタロウは自身の顔がひきつるのを自覚していた。
増える荷物に、ぶっ通しで歩き続ける彼女の行動力。
最初は両手に袋だったリンタロウも、今となっては両腕に袋を引っさげた状態でラッピングされた箱をいくつも抱えることになり、前を向くのもやっとのことだ。
「えっ、まだ買うの！？」
「え？うん」
「何だよその当たり前だろみたいな反応…」
良い加減腕も疲れてきた。
帰りたい、なんてリンタロウが思っていると、ふとAは立ち止まって振り返り、リンタロウに提案をした。
「あそこのクレープ屋さんのお店で休もう！」
リンタロウはようやく、ホッと息をついた。
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麗紅花(プロフ) - 此処まで読んできましたが……不幸な終わり方ではなく、正しい道を貫く事を選んでからの幸福になるエンドで良かったです！（←語彙力がオカシイ……）。しかも、番外編的な続編もあって良いと思いました。「是非とも続きを！」と思いました。機会があれば、お願いします (2022年12月13日 16時) (
レス) @page23 id: ba1809d3dd (このIDを非表示/違反報告)
黒我 - 今更なんですが……とても面白かったです！！もし続きがあるのであれば楽しみにしております！！ (2021年11月12日 21時) (レス) @page23 id: 4b03b5f44e (このIDを非表示/違反報告)
アヤノ(プロフ) - 海月猫さん» ありがとうございます^ ^頑張ります！ (2019年6月19日 0時) (レス) id: a5f5162e93 (このIDを非表示/違反報告)
海月猫(プロフ) - 面白かったです！これからも頑張ってください！ (2019年6月18日 0時) (レス) id: db1e8d80c6 (このIDを非表示/違反報告)
桜音 - 下に書かれている方が居ますが、オリジナルフラグはちゃんと外しましょう。スタジオわさびさんに失礼ですよ。 (2019年1月17日 14時) (レス) id: 257d7b43bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アヤノ x他2人 | 作成日時：2018年6月22日 12時
