. ページ43
「…ユキ」
「な、何？姉さん」
「何か、思いついた？」
「え、えっと…」
「話…聞いてみても良い？」
ユキは少し目を見開いて、それから小さく頷く。
そしてユキは、皆に向けて話し始めた。
「ちょっといいかな？」
「何だよー」
「昨日の夜追いかけてきた狼は左手に凶器を持っていた気がするんだ…。
でも、タケオさんは右利きなんだ」
「そ、そうだ！俺は右利きだ！」
ユキの言葉に、必死になってタケオさんは同意した。命がかかっているから当たり前だろう。
「お前、暗闇で追いかけられたんだろう？確証あるのかよ？」
「確証は、俺の記憶でしかないけど…」
コウの問いにユキは不安そうだった。
私も、何か言えたら良いのに…。
だけどあの時、私はあまりにも必死だった。
ユキが死んでしまうのが怖くて。
ユキが無事ならば、その時はそれで良かったのだ。
それがここで役立てないなんて。
・・・
…結局、私たち姉弟は何も言う事が出来なかった。
皆の信用を得られなかったタケオさんは、処刑されるしかない。
「そ、それではみなさん。今回の処刑対象は小島タケオでいいですか？」
他の皆に異論はない。
でも、ユキだけは最後まで疑問を感じていて、だからこそ私もタケオさんが本当に狼と決めて良いのか分からなかった。
それでも、多数が意見を同じくする場で、答えが変わる事は無い。
小島タケオさんは、処刑された。
…だが。
その後のメリーとウルフによる答え合わせで、小島タケオが羊であると判明した。
やっぱりユキの考えは間違いじゃなかったんだ。
それでもやってしまった事は、取り返しがつかなくて。
「それでは、さっそく次の狼を決めましょう！」
それでも狼ゲームは止まることを知らない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 161人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アヤノ(プロフ) - 鈴錬さん» ありがとうございますー！これから頑張ります^_^ (2018年5月27日 20時) (
レス) id: 090e21dff8 (このIDを非表示/違反報告)
鈴錬 - 続編がッ…楽しみすぎるッ…！！ (2018年5月27日 19時) (レス) id: 28c60ad67a (このIDを非表示/違反報告)
アヤノ(プロフ) - さくらさん» ありがとうございます！！これからも頑張っていきます…！！(≧∀≦) (2018年5月26日 18時) (レス) id: 6c09e3d638 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - アヤノさん>>ありがとうございます！！今回もとても凄かったです！！続き楽しみにしてます！ (2018年5月26日 18時) (レス) id: 3a8da8a787 (このIDを非表示/違反報告)
アヤノ(プロフ) - さくらさん» コメありがとうです！これからちょくちょく絡ませていきます…！！ (2018年5月25日 7時) (レス) id: 6c09e3d638 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アヤノ x他1人 | 作成日時：2018年5月14日 21時
