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兄さん
「ごめんな、多分大分傷つけたと思うんやけど…
俺はアヤに帰って欲しかった」
疲れ切ったのか背凭れに全てを預けたような脱力っぷり
同一人物とは思えないほどだ
この部屋の暗い雰囲気と彼の香りばかりが変わらない
兄さん
「嫌いやない、全然
いや、人間は嫌いやけど…それでも俺らのためにやってくれてるアヤは違かった
誰かの為ばかりやと…アヤが死ぬのに」
煙草を吸っていいかと許可を求められて…好きに吸ってほしいと言えば優しい笑みが返ってくる
…別人？
カチカチとライターの音がして、煙草に火がつく
兄さん
「誰かの為って利用されるのは、キツい
…俺の経験と、今のアヤの状態は少しだけ似てる」
ちょっとだけ、と兄さんは笑う
豪快にまでではなくても、この人はよく笑う人だった
さっきの冷酷な態度がまるで嘘
何度も言うが、別人みたいだ
兄さん
「俺、『生き埋め』にされたんよ」
さらりと話されたのは…結構衝撃的な話だった
兄さん
「土砂崩れとかでならまだ良かったかもな…
あれみたいに勢いもない…スコップに乗せた土を石をどんどん乗せられて息もできず不快な感触を全身に感じながら死んだ
神のためだと村のためだと理由をつけて、俺は生贄として定められた場所に掘られた穴へと埋められた」
ゆらりと紫煙が不可思議な動きをして、うさぎが跳ねた
兄さん
「腹を括ることもなく、もうやるしかないって連れ込まれて勝手な準備を行われた末に俺は殺された
何処のためになるのかもわからない
自分の現状もわからないまま、ただ殺された
神なんて居らんかった」
チーノに連れられて、逃げるなと言われ…
なるがままに死と直面している今の状態が、似ているということか
兄さん
「アヤ…アヤは、自分の目的のために…飛び込むんやな？」
「…はい」
兄さん
「なら、止める必要もないな
俺は俺の全て…命ごと、アヤに託すから」
頼んだ、と兄さんは微笑んだ
まだ吸えそうな煙草を灰皿に押し付けて、此方に寄ってきた
何をされるわけでもなく、兄さんの手が首に触れる
少し目を瞑った
兄さん
「はい。あんまそんな顔しとったらキスされんで」
「ぅ…」
その言葉に目を開けると顔が近くて驚いた
が、首元に巻かれたチョーカーが、思考の半分以上を奪っていった
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シロ(プロフ) - とても面白かったです！続きも楽しみにしてます！！！ (2021年10月16日 22時) (
レス) @page50 id: a4ad6ae738 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます！！！！！更新まってます！ (2021年10月16日 15時) (レス) @page50 id: b410cfc145 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 白瀬妖さん» はい！頑張ってください！ (2021年10月11日 19時) (レス) id: dbadc04c4b (このIDを非表示/違反報告)
白瀬妖(プロフ) - mottsarerachizuさん» 楽しんで頂けているのでしたら幸いです。この調子で続けさせていただきます。ご協力ありがとうございます。 (2021年10月11日 18時) (レス) id: 33f684726d (このIDを非表示/違反報告)
白瀬妖(プロフ) - 桜華さん» 改善ページに追加で記載させていただきました。ご協力の方ありがとうございます。 (2021年10月11日 18時) (レス) @page36 id: 33f684726d (このIDを非表示/違反報告)
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