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STORY 6 ページ6

マシュー。その名前を聞いたマーロンはまたもや懐かしさを覚えた。彼は元気にしているだろうか。もしかしたら“魔女狩り将軍”は彼なのではないか。いや、名前が同じだけかもしれない。それに確か彼は魔女なんて信じていなかったはずだ。
 その後も特にあてもなく町を歩いていたら気づけば日が暮れており、帰る途中でマーロンは偶然酒場の店主と遭遇した。

「マーロンじゃないか。もう暗くなってきたから帰らないと危ないぞ」

「はい、おじさん……あ、僕のお母さんは今日もおじさんのお店に居るんですか?」

「クラウディアかい? いや、まだ来ていない。そういえばここ最近ずっと店では姿を見てないな……」

「え?」

「もし良かったら一緒に探してあげようか?」

「あ、いえ、大丈夫です。さようなら!」

 帰ってから夕食の時もマーロンはずっと考え込んでいた。
 夜遅く帰って来るのはてっきりお酒を飲んでいたのかと思っていたけど、お店には行ってない。それなら一体どこで何をしているのだろう。

「ねえ、お父さん。明日、トムと一緒に隣の町まで行ってきていい? 夕食前までには帰るから」

 トムというのはマーロンがつい最近仲良くなった代書人の男だ。スティーブも彼とは親しいのでその分信頼できる人間だと言っていい。

「いつもより遅くなりそうだな……まあでもあいつとなら大丈夫か。よし、行ってきていいぞ」

「ありがとう」

 実はマーロンはこっそり母親を尾行しようと考えていた。『トムと行く』というのは本当で、彼はそういう悪ふざけやスリルを好む性格をしていた。
 もし、仮にもしも『魔女』を殺しているのがあのマシューなら……彼が来る前に知っておかなければ。





 その夜、マーロンはある夢を見た。
 どこか知らない家で誰かと二人きりで向かい合っているのは分かるが相手の姿は首から上を見ることが出来ず、おまけに一言も喋らないので性別を判断することも出来ない。
 彼、もしくは彼女は唐突に左手をこちらに伸ばしたかと思うと首を絞めてきた。夢なので苦しくはなかったが何故か涙が頬を伝うのが分かる。なんとなく『この人をここに独りで置いて行きたくない』という思いが頭に浮かんだ。同時にその願いは叶わないことを確信した。僕はこの人を助けられない。


 眠るマーロンを見下ろしていたクラウディアは僅かに首を傾げ、やがて笑った。

「ああ、そうだ。そいつはたった一人で逝く。死には誰も抗えない」

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田無苑珠(プロフ) - 寝夢さん» ただでさえ無実の女性を平気で殺しまくってる人ですからね。どこかもう自分でもどうしようもできないほど壊れてるんです。 (2017年6月5日 20時) (レス) id: f9f63da005 (このIDを非表示/違反報告)
寝夢(プロフ) - 田無苑珠さん» もう色々とアレな人になっちゃってますねミスター・マシュー (2017年6月5日 20時) (レス) id: 0c9f17ee4b (このIDを非表示/違反報告)
田無苑珠(プロフ) - 寝夢さん» 読んでくれてありがとうございます!はい、言いましたw……と、言っても実は恋愛という意味ではなくて、本人もよく分からない感情をマーロンに抱いてるんです。 (2017年6月5日 20時) (レス) id: f9f63da005 (このIDを非表示/違反報告)
寝夢(プロフ) - 面白いです!マシュー、……あ、愛してる…って言いました……? (2017年6月5日 10時) (レス) id: 0c9f17ee4b (このIDを非表示/違反報告)
田無苑珠(プロフ) - ロイヤルストリートさん» ありがとうございます!好きになってくれて嬉しいです (2017年5月23日 13時) (レス) id: f9f63da005 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:田無苑珠 | 作成日時:2017年5月5日 13時

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