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STORY 15 ページ15

「毎晩どこかへ出かけるからおかしいと思ってたんだ!」

「ずっと人間のふりしてスティーブを騙したあげく、息子を攫うなんてとんでもねえ! 容赦するな! 魔女は殺せっ!」

「「「「「殺せ!!!!」」」」」

 人々の声が部屋に響き渡る中、群衆の一人が手渡した剣を抜いた刹那、クラウディアを挟んでマシューとマーロンの視線がかち合う。
 マーロンは必死に首を横に振ったがマシューは目を逸らして群衆のほうを振り返る。

「可哀想に、あの子供はこの邪悪な魔女を母親だと信じて疑わない。だがあの子の頬の傷を見ろ! 罪もない子供があそこまでいたぶられたのだ。聞けば夜になると化け物のように豹変すると言うではないか。あの傷が証拠だ。このまま放っておけば死んでしまうぞ」

「な、何てことを……!」

 芝居かがったマシューの言葉に一層どよめきが大きくなった時、誰かが人々をかき分けて部屋に入ろうとしたのを部下二人に止められているのが見えた。

「マーロンッ!」

 お父さん!?
 呆然とするマーロンの前でスティーブは「息子のところに行かせてくれ」と叫ぶ。

「スティーブさん、この女はまごうことなき魔女です。迂闊に近づけば無事ではすみません。あなたはずっと騙されていたのですよ」
 
 嘘つき! マーロンはマシューにそう叫びたかった。お母さんは僕たちを守るためにわざとこんなことをしたんだ!

「頼む、息子を助けてくれ!」

 息子の思いは届かず、スティーブは懇願する。マシューは頷いて切っ先をクラウディアに向けた。

「ご安心ください。人間を陥れる忌々しい魔女をこの手で――」

 言うが早いか、彼は素早くクラウディアに斬りかかる。剣と剣のぶつかり合う音が響き、人々が歓声をあげる中、二人は相手にしか聞こえない声で会話する。

「見損なったよマシュー。何人も無実の女を殺しておいてよくも私の息子の前に顔を出せたね」

「魔女の分際でふざけたことを言いやがって。いっそ殺してくれと懇願するまで存分にいたぶってやるよ」

 二人は互いに一歩も譲らず闘っていたがやがて劣勢になったマシューが『わざと』マーロンの側に倒れこむ。そしてクラウディアが剣を振り上げた瞬間、彼は信じられないことをした。

「え」

 マーロンは自分の顔の前で止まっている切っ先を呆然と見つめる。直後マシューが立ち上がると同時に剣を薙いだ。頭部を失ったクラウディアの身体がゆっくりとその場に崩れ落ちていく。

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田無苑珠(プロフ) - 寝夢さん» ただでさえ無実の女性を平気で殺しまくってる人ですからね。どこかもう自分でもどうしようもできないほど壊れてるんです。 (2017年6月5日 20時) (レス) id: f9f63da005 (このIDを非表示/違反報告)
寝夢(プロフ) - 田無苑珠さん» もう色々とアレな人になっちゃってますねミスター・マシュー (2017年6月5日 20時) (レス) id: 0c9f17ee4b (このIDを非表示/違反報告)
田無苑珠(プロフ) - 寝夢さん» 読んでくれてありがとうございます!はい、言いましたw……と、言っても実は恋愛という意味ではなくて、本人もよく分からない感情をマーロンに抱いてるんです。 (2017年6月5日 20時) (レス) id: f9f63da005 (このIDを非表示/違反報告)
寝夢(プロフ) - 面白いです!マシュー、……あ、愛してる…って言いました……? (2017年6月5日 10時) (レス) id: 0c9f17ee4b (このIDを非表示/違反報告)
田無苑珠(プロフ) - ロイヤルストリートさん» ありがとうございます!好きになってくれて嬉しいです (2017年5月23日 13時) (レス) id: f9f63da005 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:田無苑珠 | 作成日時:2017年5月5日 13時

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