STORY 13 ページ13
「いずれにしても誰もあいつを止められない。いや、正確にはあんたが十二を迎えるまで魔女狩りは続く」
「僕が十二歳になってから終わる……え、二年も！？」
「ああ。まず多数の住人が信じてしまっている。少数の意見は聞き入れられないのが人間の集団性だ」
「そんな……それじゃ他の女の人は」
マーロンが言いかけるとクラウディアは黙ったまま手で制し、扉のほうを見る。
「どうしたの？」
「しっ……たぶん誰か来てる」
その数秒後、扉が控えめに三回叩かれたかと思うと困ったような女の声が聞こえた。
「あの、すみません。道に迷ってしまって……誰かいませんか？」
クラウディアはマーロンに『絶対に喋るな』というジェスチャーをすると立ち上がり、床に放置していたウサギの入った網を持つとついてくるよう手招きする。彼女が向かったのは地下への階段だった。
音を立てぬよう階段を降りると壁に種類の異なる草が飾られている部屋があった。奥の台の上には鉈とロープ、それに見たことのない器具が置いてある。彼女はその台に網をのせてこちらを見た。
「もう喋っていいよ。ただし大声出さないように」
「どうしたの？ 外の女の人、道に迷って困ってたみたいだよ？」
「待ってて」
そう言ったかと思うと彼女は小袋と二つのロープを手に戻って来た。
「壁際に座って両手を前に出して。時間がないからはやく」
有無を言わさず命令され、状況が飲み込めないまま言われた通りにするとクラウディアは慣れた手つきでマーロンの手足を縛る。
「先にこの部屋について説明するよ。壁に飾っているのは薬草で、それから薬を作って売ってた。あそこの台の鉈は獲った動物を殺すため。生きたまま毛皮を剥ぐなんて出来ないから。この小袋にはそれらを売った金が入ってる。この袋の中にある以外の金はスティーブのとこに送ったからこれをどう使うかはあんたの自由だ」
彼女は小袋から長く伸びた紐をマーロンの腰にくくりつけた。この間にも扉を叩く音はしだいに強いものへと変わっていく。
「さきほど扉を叩いた女の名前はメアリー・フィリップス。マシュー・ホプキンスの部下だ」
「え？」
「メアリーだけじゃない。もう一人の部下のジョン・スターンや町の人間、そしてマシュー自身も来ている」
「待って、待ってよ。何で――」
クラウディアはマーロンの頬にそっと手を当てると笑った。
「今まで悪かった。幸せになりな」
――直後、扉の蹴破られる音が響いた。
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田無苑珠(プロフ) - 寝夢さん» ただでさえ無実の女性を平気で殺しまくってる人ですからね。どこかもう自分でもどうしようもできないほど壊れてるんです。 (2017年6月5日 20時) (
レス) id: f9f63da005 (このIDを非表示/違反報告)
寝夢(プロフ) - 田無苑珠さん» もう色々とアレな人になっちゃってますねミスター・マシュー (2017年6月5日 20時) (レス) id: 0c9f17ee4b (このIDを非表示/違反報告)
田無苑珠(プロフ) - 寝夢さん» 読んでくれてありがとうございます！はい、言いましたw……と、言っても実は恋愛という意味ではなくて、本人もよく分からない感情をマーロンに抱いてるんです。 (2017年6月5日 20時) (レス) id: f9f63da005 (このIDを非表示/違反報告)
寝夢(プロフ) - 面白いです！マシュー、……あ、愛してる…って言いました……？ (2017年6月5日 10時) (レス) id: 0c9f17ee4b (このIDを非表示/違反報告)
田無苑珠(プロフ) - ロイヤルストリートさん» ありがとうございます！好きになってくれて嬉しいです (2017年5月23日 13時) (レス) id: f9f63da005 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：田無苑珠 | 作成日時：2017年5月5日 13時
