Urban Legends (ページ5)

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○ ページ5

「……さて、これが契約書だから。ちゃんと読んでサインして。」

　一枚の紙を渡された。そこには細かい呪文の羅列。契約書って言うんだから多分契約について書いてあるんだろうけど、僕には全くわからなかった。とりあえず、契約者の欄に自分の名前、対象の欄に上司の名前を書き込む。

「……本当に、いいの？」

「はい、いいですけど……？」

　なんでそんなこと聞いたんだろう？それにさっきの所長さんの言葉も気になる。『し』ってなに？『死』って言うこと？たぶん社会的な死だと思うけどもしかして……。

「……そっか。……後悔、しないでよ」

　目黒さんは名刺を取り出し、担当者の欄に書き込みを始める。なんで名刺を出したんだろう？……もしかして、名前の漢字が分からなかったりして。

「俺バカだからさ、名前をちゃんと書けるか自信なくて。だからこれで確認してる」

　視線を感じたのかそう言ってくる目黒さん。書き終わってアイスコーヒーを一口飲むと、真剣な表情になる。

「契約成立だね。一週間後にまたここに来てよ。……その時までには、終わらせるから」