本田さん家の見える子ちゃん【ヘタリア】

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「今日はいい天気だね。もう桜が咲いてるよ」



雲ひとつない青空に広がる桜

風が吹くとひらひらと花びらが舞い降りて、とても綺麗だ。



「あそこ、菜の花いっぱい咲いてる。ちょっと行ってみようよ」



桜並木の下にある河川敷には、一面の菜の花畑。
降りていくとぽちくんが楽しそうに吠えた。

リードを伸ばしてやると、走り回って転がり回る。
こんなはしゃぐぽちくんは初めてで、とても可愛い。


スマホを構えると、菜の花畑で遊ぶぽちくんと、青空に映える桜並木が幻想的でとても綺麗。


撮った写真をつい菊さんに送ってしまうほど浮かれていた。



「……あれ？なんだろ、」



菜の花の咲いていない、川原の辺りにカラスが集まって騒いでいる。

よく見ると、カラス達は何か白いものを啄んでいる、これは、助けた方がいいのかな、

でも自然の世界では弱肉強食が原理で、人間である私が関わるのって良くないんじゃ…、

だからって見て見ぬふりするのもどうなんだろ……、


悩んで動けないでいる時にふと思い出した記憶。

あの日、雨の中、菊さんが手を差し伸べてくれたから私は今、こうやってぽちくんと平和に暮らすことが出来てる。


私も菊さんに助けられたんだ。
今度は私が困ってる誰かに手を差し伸べる番。


烏野群れに突っ込んだ私は白い塊を覆うようにして被さった。

カラスは構うことなく啄んで、足で蹴り倒そうとする。


え、カラスってこんなに力強いの？
いたっ、いたい！！くちばし鋭すぎる！！

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