本田さん家の見える子ちゃん【ヘタリア】

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「私、家の中ではジャージで過ごしたいです。」

「……へ？」

「ほら、さっき菊さんが着てたみたいなやつ。私も家ではあれがいいです。」



菊さんが家でも着物を着てたから私も余所行きの服を着るようにしてたけど、菊さんが家と外で着るものを変えているのなら私も家では楽な服装でいたい。



「えっと、……引かないんですか？」

「？何にですか？」



気まずそうな菊さんがよく分からない。
引く？何に？？

説明を求めると、菊さんは言葉を選びながらもボソボソと話し始めた。


いわゆるオタ活ガチ勢な菊さんの発狂について私が引くのではないかと考えたらしい。



「あぁ、その事なら別に。」



というかその発狂も今日が初めてじゃないし。



「……え？」

「菊さんって書類仕事は居間で私と一緒に整理してるじゃないですか？んで、菊さんが仕事言って部屋に篭もる日はたまに叫び声とかアニメの音が聞こえますし、お仕事って推し事なのかなって」

「なんて冷静なのこの子…」

「それに施設にもいましたからねぇ、オタクっ子」



共同部屋にフィギュアを並べて職員さんに怒られていたオタクのあの子を思い出した。
少しでも興味を持つといつまでも続くアニメの説明も今では懐かしい。


それにしてもまさか菊さんがオタ活なるものを私に隠していたという方が驚きだ。

だったらもっと隠して欲しい。いや別になんとも思わないけど。



「まぁ、ですから、別に隠さなくていいですよ？とりあえず今度色違いのジャージ買いに行きましょうよ」



私の前ではぴっしりしてる菊さんの肩の力が抜けるのなら嬉しい。ついでに私も家で楽にできるならもっと嬉しい。

買い物の約束を取り付けようとしたのだが、菊さんは「ジャージならいくらでも買ってあげます！！」と泣き出した。

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