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〜智side〜
「…言わなきゃ…わかんない？」
「ん。わかんねぇ。俺、馬鹿だから」
「…ほんとに、ばかだね」
…翔くんだからだよ。
相手が他でもない、お前だから
俺は、こんなに ばかになれんだよ
・
10年以上前の俺は
きっと、思ってもいなかっただろうなぁ…
『あいつ、かぞくだれもいないんだぜ！』
『だっせぇ！1人で泣きそうになってやんの！』
兄さんがくれたオルゴールを破壊した
かつての、孤児院の同級生達。
今、思えば
俺はあの時、なんで
その場で1人ずつ殴り倒さなかったんだろう
英雄兄さんを失った哀しみで
呆気なく後を追うように空に消えて行った母さん
憎しみと哀しみを、天使の仮面の下に隠し
たった1人の女性との間で生まれた愛で
永年の罪から解放され
最期は、人間として儚く生涯を閉ざした領兄さん
あの、オルゴールは
そんな、かけがえのない
俺の家族の記憶の欠片を集めた宝物だから。
今、思い出しても
正直、後悔する程
哀しさと憎しみで溢れていた筈なのに
地面に顔がのめり込む程、土下座させても
その顔面を
涙でぐちゃぐちゃにさせて謝罪されても
きっと、俺は一生許さなかった
・
でも
酷い、皮肉だと思った
『なにしてるの？』
『大丈夫だよ。
ぼくね。こういうの得意なんだ』
『お迎えにきたよ
さとしくん』
俺の人生を180°変える出会いのきっかけを
あいつらが、与えてくれたのかもしれないなんて。
あの出来事さえなければ
あの時、俺が
芝桜の下で、1人蹲っていなければ
今、俺は
こんな存在に出逢えなかったのかもしれない
この世の誰よりも愛しいと思える存在に。
そう、考えると
「幼馴染はもう、卒業しよう」
段々と、自分が抱えていた負の感情が
薄れていくんだ
「母さんが残してくれた唯一の形見
受け取ってくれる？」
俺の胸の中に
「断る…理由がないでしょ…」
こんなにも綺麗な櫻を咲かせてくれたんだから。
「…愛してるよ、智くん。
この世の誰よりも。ずっと。」
涙を伝わせながら、俺に微笑んだキミの笑顔は
「人生のパートナーとして
あなたの隣に、ずっと居させてください」
彼と歩んできた人生の中で
1番、綺麗だった。
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星羅*(プロフ) - 零。さん» 零。さんにコメントを頂けるなんて大変恐縮です！(泣)2人ならではの空気感を感じて頂けたことが何よりも嬉しいです。零さんもこんな御時世ではありますが、くれぐれも心身ともにご自愛下さいませ＾＾ (2020年7月26日 15時) (
レス) id: 1870687a4d (このIDを非表示/違反報告)
零。(プロフ) - 二人の温かな空気と穏やかさに癒されました。終わりにはどうか二人の生活が幸せに続きますように、と自然と思うとお話で心が暖まりました(笑)まだまだ落ち着かない毎日ですが、ご自愛ください。 (2020年7月26日 7時) (レス) id: ec56ac60c9 (このIDを非表示/違反報告)
星羅*(プロフ) - きよさん» 更新の度に、こうしてコメント欄にお越しくださるきよさんには本当に救われております！愛に溢れる御言葉に溺れてしまいそうです(泣)これからも初めての感情にやきもきする翔くんとスパダリな智くんを見守って頂けるととても嬉しいです＾＾ (2020年7月21日 0時) (レス) id: 1870687a4d (このIDを非表示/違反報告)
きよ(プロフ) - 星羅さん、世の中色々あり大変な中、本当にお疲れさまでした。そして更新ありがとうございます。自分の想いを自覚した翔くんは可愛いし、智くんは頼もしくて読んでいてホンワカと和ませてもらいました。これからも更新お待ちしています。 (2020年7月21日 0時) (レス) id: ae2dee5c90 (このIDを非表示/違反報告)
星羅*(プロフ) - きよさん» きよさん、お久しぶりです！いつもあたたかいコメントありがとうございます！(泣)私も曖昧な終わらせ方をしてしまったのでこれは使命だと思い書き上げました！！原作とは異なりシリアスな場面は少なめですので気軽にお楽しみ頂ければ幸いです！ (2020年4月10日 10時) (レス) id: 44ba3bae8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星羅*
| 作成日時：2020年4月10日 0時
