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浮所もいなくなり、また那須と2人になった。
すると、那須は何やら真剣な顔で話を始めた。
那須「大昇……卒業式、ちゃんと来れて偉いよ」
大昇「まぁ、Aに行けって言われたからなあ」
那須「この後の打ち上げは、どうすんの?」
大昇「こっちの俺が参加するよ、未来の俺は元の場所に帰る。」
那須「そっか……」
未来へと帰る、その事実に那須は少し寂しげな表情を浮かべた。
大昇「しょんぼりすんなって笑、どっちも俺だから変わんねーよ笑」
那須「…でも、現在の大昇と未来のお前は一緒じゃ…」
大昇「一緒だよ、同じ。」
那須「何言ってんだよ、Aの過去を覚えてる大昇は……」
大昇「……俺だけ、そんなの知ってるよ。」
未来からやってきた俺は、
夏休み明けから卒業式近くまでずっと
高校三年生を過ごしていた。
だから、こっちの大昇はその記憶が無い。
ただ、Aと出会えて付き合ってるってことになってる。
那須「だったら、」
大昇「だから、俺だけの宝物なんだ…。」
那須「わかった。俺はどっちの大昇も記憶にあるからな。」
その事を知ってるのは、那須…ただ1人だけ。
ちょっと申し訳ないことしたかなって
未来の俺の記憶をそっと蓋を閉じて欲しい。
寂しいのは俺も一緒。
だけど、未来でも那須はいるから。
大昇「……じゃあ行くわ」
那須「おう。元気で」
那須と挨拶を交わし、
遠くから、まだ周りに人がいるAの写真を撮った。
そして、
気づけば
未来へと帰ってきた。
久しぶりのタイムリープは少し不安だった。
でも、戻れたから、まぁいいか。
体を起こすと、
Aのワクワクした姿が目に映った。
『写真は!どこどこ』
大昇「そこの棚のアルバムに入ってると思うよ」
『おぉ〜!大昇くんありがとう!』
大昇「それよりも、早くラーメン食べに行くよ」
『ちょっと待ってよ〜』
「……さっさと出かける準備しよ」
fin.
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作者名:ホワイトチョコ | 作成日時:2022年8月13日 0時