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Aside
体育祭も、残り終盤。
朝から始まったイベントだけど、
まだ大昇くんと話せていない…。
多分だけど、
私が色んな人と一緒にいるから話しかけれないんだと思う。
……笑笑
何だか笑っちゃうよね。笑
ちょっとだけチキンなところがまた良いんだけどさ。
それにしても……かっこいい……。
制服の時もそうだけど、
薄手のジャージになると、
男らしい肩幅が強調されて、
でも、ウエストはキュッと引き締まって、
スタイルの良さと、身長の高さが鮮明になる。
ジャージというラフな姿もまた新鮮で、
私の胸をキュンとさせた。
その姿を、
こっそりとシャッターにおさめる私。
私こっそりと大昇くん撮るの多いな…笑
あ……そうだ。
『ごめんね、ちょっと行ってくる!』
周りの友達に一言伝えて、
大昇くんの元へと向かう。
大昇くんの周りには、
女の子に人気のある浮所くんと那須くんがいた。
そこに近づいていくと、
浮所「あ、Aちゃんだ」
浮所くんが気づいてくれた。
浮所「大昇〜」
何だか嬉しそうに気づいてない大昇くんの名前を呼ぶ。
大昇「びっくりした笑」
『あ、ごめんね!笑』
浮所「なになにどうしたの〜!」
那須「浮所、お前、ちょっと黙れ笑」
『一緒に写真、撮りたくて来ちゃった笑』
浮所「キャーーーーー」
那須「浮所うるさいって」
浮所くんのリアクションは無視しつつ、
私が持っているカメラを大昇くんに見せた。
浮所「あ、じゃあ俺が撮ってあげるよ」
『ありがと〜!』
この言葉だけは無視せずに、カメラを浮所くんに預けた。
フレームにおさまるよう、
大昇くんとの距離を縮めていく。
少しだけ欲を出して、
肩が触れ合うところまで近づいていった。
浮所「じゃあ撮るよ〜」
その言葉と同時に
大昇くんは首をこてんと、私に近付けた。
カシャッ
『浮所くん、ありがとう!』
浮所「どういたしまして〜」
大昇「まぁ、さんきゅな」
浮所「いやいや、もっと感謝しろー?」
そう、これこれ。
この雰囲気を体育祭の朝からしたかった。
良かった、勇気を出して。
“ありがと、じゃあね”とその場をさろうとすると
大昇「また、後で会おう」
とこっそり話しかけられた。
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作者名:ホワイトチョコ | 作成日時:2022年8月13日 0時