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俺、なんでこの子に世話焼いてんだろ。
そう思いながらも、隣に座る俺。
『大昇先輩、何でここに?』
大昇「いや〜、体育祭だから来ないとな〜って」
『…いや、そうじゃなくて、ここです!ココ!』
大昇「那須の後ろ着いてったらさ、いい雰囲気だったから邪魔しないよう隠れてた笑」
ま、嘘だけど。
どうやら、那須と写真を撮るのを忘れた…とかなんとか言ってたな。
那須もなーんですぐ、あっちに行っちゃうかな。
まるで、この子の悩みが俺と同じようで少し親近感が湧いた。
でも、この子にとって写真を撮るのは簡単なこと。
過去にも未来にも、タイムリープしない気楽。
俺も、何も悩まずに、シャッター押したいよ。
大昇「写真、撮れるといいな」
『あ、ありがとうございます…』
大昇「だから早く行ってきな」
『無理です!』
大昇「行けって笑」
『無理です!』
早く行け…っていう言葉は
自分が行けないからこそ
何回もこの子に言い放つ。
大昇「じゃあ、俺は行くわ」
『はい…!…大昇先輩も体育祭、楽しんでください!』
大昇「……ありがと笑」
きっと、この子の方が俺より強い気持ちがある。
だから結局叶えちゃうんだろうな。
今こそ、写真破いて、体育祭が終わる頃くらいにとびてぇよ。
無理だけど笑
そう言いながら、
那須のいるグラウンドの方へと歩いていった。
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作者名:ホワイトチョコ | 作成日時:2022年8月13日 0時