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体育祭当日。
大昇「那須……好きな人いたんかよ!」
那須「いや、別に好きじゃないし」
大昇「嘘つけ、本当は好きなくせにさっ」
久しぶりの那須に会った。
那須「それより大昇、お前今どっち?」
大昇「あー…、タイムリープしてる方。てか、夏休み明けに飛んでからずっと未来に帰ってないんだよね」
那須「え!?、ずっとここにいるってこと?」
大昇「まー、そゆことだよね笑」
夏休み明けにタイムリープしてから、
そういや、那須に言うの忘れてたな。
いや、待て。
大昇「……ちょっと待って。」
那須「どうしたんだよ」
大昇「俺は……あの時シャッターを押した。」
那須「どいうこと?」
大昇「1週間くらい前に、Aを撮ってて。思わず忘れてた。」
那須「おい……嘘だろ。」
大昇「……シャッター押したはずなのに、
未来に帰れてない。」
すっかり忘れていた事実。
なんで今日思い出したんだ。
大昇「俺、こっちの住人になったってこと?」
那須「だったら、もう帰れないってことじゃん」
大昇「いや……帰れる方法がもう1つあるっちゃある……」
那須「どうやって?」
大昇「…………Aが死ぬと、強制的に帰らされる。」
那須「……まじかよ。」
……俺は一体、どうしろって言うんだよ。
いっそこのまま、こっちにいても……。
いや、ダメだ。
死の運命が近付くのには変わりないから。
焦っている時、
那須の気になる子を発見した。
大昇「あ……那須、あの子いるから行ってこいよ。」
那須「いや、でも」
大昇「早く行けって笑」
過去の那須に迷惑をかける訳にはいかない。
俺はちゃんと自分で向き合わないと。
ほら……。
俺が言ってた通りじゃん。
俺の視界に映るふたりは
まるで恋人のような空気感だった。
早く俺もAの所に行きたいけど……
クラスの輪の中にいるAに話しかけると、
他の奴らに冷やかされんのが嫌で、
簡単には近づけない。
俺って…ひ弱だよなー、やっぱり笑
その時、
『写真撮るの忘れた!』
聞き覚えのある声が大きく響いた。
“あぁ…もう無理じゃん”と嘆く当人は
那須の気になる子だった。
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作者名:ホワイトチョコ | 作成日時:2022年8月13日 0時