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制服の時とは違うジャージ。
半袖のクラスTにハーフパンツ。
先輩のすらっとした体や
少し筋肉の付いた腕。
ガシッとした肉付きから
足首にかけて細くなっていくスタイル。
いつもの2倍増しでかっこよく見えた。
ベンチに座る私と
私の前で
腰に両手をあてながら立つ那須先輩。
普段と違う服と、普段と違う場所。
いつもと違う位置。
何だか少し、
那須先輩の本当の姿…
クラスメイトや友達に見せてる普段の那須先輩、
って感じがして、
改まってドキドキと緊張が走った。
『そういや那須先輩、どうしてここに?』
「俺さっき競技出てきたのにさ、いないし笑」
『え!!見逃しました…』
「だと思った笑、ここにいるし笑」
先輩の走る姿、絶対カッコイイんだろうな。
うわ……見たかった。
……ん?
ちょっと待って
よく考えたら
要するに那須先輩が言ってることって
競技中に私を探してて、
でもいなくて
よく見回したら、
私がベンチにいるのを発見して
那須先輩から来てくれたってこと!?
……だよね。
その状況を、恐る恐る先輩に聞こうと好奇心が湧いた。
『……先輩』
「ん?」
『私に会いに来てくれたって事ですよね』
「えっ、
……
まー、勝手に体が動いてた笑」
その言葉は、
いつも会話してる那須先輩からの答えっぽくなくて
思わず驚いた。
びっくりしつつ先輩へと顔を上げると
私を見ながら
優しい目で笑っていた。
いつもだったら“仕方ないから”とか
“たまたまだし”とか言うくせに。
ストレートに気持ちを伝えられると
構えてない胸がドキッとした。
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作者名:ホワイトチョコ | 作成日時:2022年6月20日 21時