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夢中になって走ったのは学校だった。





少し遅めの夕方。





残っているのは部活をしている人達。





流石にもう帰ったかな……





そう思いつつも学校の中に入っていく。





さっきの下駄箱……。





私、勢いで“好き”だなんて言っちゃった。





もうちょっと可愛く伝えたかったな…





ローファーから上履きに履き替えて廊下を歩いていく。





階段をゆっくり昇って





古い音を鳴らして開けた屋上のドア。





『やっぱいないか……』





浮所くんが秘密って言ってた場所。





ドキドキしながら座ったベンチ。





まだ細かい表情ひとつひとつでさえ覚えてる。





ゆっくりと歩いたまま保健室にも向かった。





扉を開けようとしたけど、





鍵がかかっていた。





『ここも違う……』





鼻血、出てなかったら出会うこともなかったのかな。





浮所くんってば最初から元気いっぱいの人だったな笑





あの頃を思い出す度に少しずつ楽しくなってくる。





最後に向かったのは教室。





でも、浮所くんはいなかった。





やっぱり帰ったんだよね、こんな時間だし。





……ね、そうかも。





…………。





……………浮所くん。





『浮所くん……会いたいよ……』





目の奥からじわっと溢れだしそうになる。





その時、手に持ったスマホが震えた。





天気のお知らせだった。





窓の外は、雨が降り始めている。





熱くなったスマホ。





天気の通知を切った時、スマホに挟んだあれを思い出した。





必死になって書かれた数字を押していく。





徐々に着信音が耳元で聴こえ始める。





浮所くん……お願い……





会えなくてもいいから……





電話だけでも、





私の気持ちを伝えたい。





______ガチャ





「もしもし?」





耳元で聴こえる好きな人の声。





『……もしもし。浮所くん、、』





でも、いざ話すと言葉に詰まった。





「……Aちゃん、で合ってる?」


『うん、』


「あぁ、良かった。予想間違えたらどうしようと思った、笑」





最後の言葉は





スマホから聴こえなかった。





「また、見つけた、笑」





私の後ろから聴こえる声。





その声が近づいてくる。





その瞬間、




既に私の体はギュッと強く抱き締められていた。





腕がまわって耳元で聴こえる声。





「もう離さないよ…」





私は……優しい香りに包まれていた。





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しゅうか(プロフ) - 初めまして。読みながら号泣してしまいました。素敵なお話ありがとうございます! (6月28日 13時) (レス) @page37 id: 81d3bec9f9 (このIDを非表示/違反報告)
ホワイトチョコ(プロフ) - ^_^さん» 大昇どこいった (6月20日 3時) (レス) id: 5af4654439 (このIDを非表示/違反報告)
^_^(プロフ) - サイコーっす那須最高っす (6月20日 2時) (レス) id: 3634040f38 (このIDを非表示/違反報告)
ホワイトチョコ(プロフ) - ぎゃうさん» う、う、嬉しい……( ꒪⌓꒪) (6月16日 22時) (レス) id: 5af4654439 (このIDを非表示/違反報告)
ぎゃう - 最初から最後まで改めて読んだけど、まじで好き〜あの下駄箱の飛貴の匂いめちゃくちゃ想像できる。美少年浮所飛貴の匂いじゃなくて一般人浮所の匂いがち好きすぎる。あといせちゃんが怒ってお弁当やめてとかハートに気づかない鈍感で恋愛ならしてない感じがいせちゃん (6月16日 16時) (レス) id: 38302e75f7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ホワイトチョコ | 作成日時:2022年6月10日 0時

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