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〇14 ページ33

金指side





明日が…本番。





練習としてリングに立った時、
生唾を飲む音が自分でも聞こえた。





いつもより多く求められるジャブ。





コーチへの視線をより集中させた。





夕方17時頃。





今日は20時まで詰めておきたいと思い、
先に弁当箱をAに渡そうと家に戻った。





家に近づく頃、また大きなトラックが目に入る。





冷蔵庫に……生活に必要なものがどんどん家から出ていく。





おかしい……





どことなく気付いていたけど、
これは絶対捨てるもんじゃない。





開けっ放しの玄関から
何も言わず飛び込むように部屋に入った。





昨日は、捨てるものだって嘘をついたこと、





今見える光景、もう全部が全部、





頭に血が上るくらい、俺の感情は怒りに溢れていた。





だけど、





Aの部屋を覗いて見たら





俺と一緒に映った写真を
悲しげな表情でリュックに詰めていた。





その様子を見ると





怒りの感情がもどかしい感情とこんがらがって
俺はぐっちゃぐちゃに分からなくなった。





一息つこうと部屋の外で身を潜めていると、





宅配業者のおじさんが2階に上がってきてしまい、





隠れる場所が無くなってしまった。





焦って、でも一旦落ち着いて考えた挙句、
Aの部屋に入ってしまった。





ベッドを指さしながら次の指示を出そうとするA。





もう俺が後ろにいるって、隠しきれないと思い




「これも……捨てるものっていうの?」





不意に出た言葉。





自分でも分かってるくせに、責めたような言い方。





いつもの俺なら、もっと……
こんな子供じみた言い方しないのに。





振り返ると俺がいることが分かり、
Aは息ができないほど驚いていた。





だけど、
Aはもう何も言葉にしなかった。





ただ、ゆっくりと首を横に振った。





捨てない家具と、宅配業者。





このふたつの事実から





Aはここからいなくなるんだって





薄らとした予感から、確信に変わった。





『ずっと、一世と幼なじみのままが良かったな』





この言葉を誰にもぶつけること無く





俺に向かって唱えた。





それから、Aはまたすぐに引っ越す準備を始めた。





.

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しゅうか(プロフ) - 初めまして。読みながら号泣してしまいました。素敵なお話ありがとうございます! (6月28日 13時) (レス) @page37 id: 81d3bec9f9 (このIDを非表示/違反報告)
ホワイトチョコ(プロフ) - ^_^さん» 大昇どこいった (6月20日 3時) (レス) id: 5af4654439 (このIDを非表示/違反報告)
^_^(プロフ) - サイコーっす那須最高っす (6月20日 2時) (レス) id: 3634040f38 (このIDを非表示/違反報告)
ホワイトチョコ(プロフ) - ぎゃうさん» う、う、嬉しい……( ꒪⌓꒪) (6月16日 22時) (レス) id: 5af4654439 (このIDを非表示/違反報告)
ぎゃう - 最初から最後まで改めて読んだけど、まじで好き〜あの下駄箱の飛貴の匂いめちゃくちゃ想像できる。美少年浮所飛貴の匂いじゃなくて一般人浮所の匂いがち好きすぎる。あといせちゃんが怒ってお弁当やめてとかハートに気づかない鈍感で恋愛ならしてない感じがいせちゃん (6月16日 16時) (レス) id: 38302e75f7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ホワイトチョコ | 作成日時:2022年6月10日 0時

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