ぎゅってして、好きって言って【狗巻棘】

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＊


袋に入っていたのは、
栄養ドリンクやゼリー等。





もしかして予め渡す予定で買ってくれていたのかな。
だとしたら、
私が昨日無理してたことを全部お見通しで…









棘「ツナツナ」


「あ、ありがとう棘くん…」









袋をぎゅっと握りしめてお礼を言う私に、
棘くんはふわりと笑って頭を撫でた。









「…っ」








顔が熱くなるのがわかった。
突然、目の前の棘くんの顔が見れなくなり、
心臓がばくばくと音を立てる。





体調不良かどうかも分からない。
ただ胸がぎゅって苦しくなって、顔があげられない。









棘「……おかか？」









迷惑だった？とでも言うように棘くんの声が弱々しいものに変わる。




違うの！と否定しようと反射的に顔をあげたことで、
棘くんとの顔の距離が近すぎることに気づく。









「あ、あ…」


棘「…ツナマヨ？」









小さめな私の身長に合わせて少し屈んだ棘くんは、
こてん、と首を傾げて私の顔色を伺おうとしてくる。
その近すぎる距離に私の心臓はもう破裂寸前だった。









「は、はは早く学校行かなきゃ朝礼始まっちゃう！」









あからさまに動揺全開で決して見ても時間すら分からないであろう腕時計を確認する素振りだけして、この場から逃げるように教室へとまっしぐらに向かった。









棘「……」

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