ぎゅってして、好きって言って【狗巻棘】

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あれから、棘くんの印象が私の中で大きく変わったのが今日のこの日だった。






昨日、私は初の任務に同伴した。



初めてのことでプレッシャーや不安や緊張感に襲われ、終わった時には一気に身体の力が抜けていく感覚に陥った。






部屋に戻るなりすぐにベッドに横になり、
身体が動かなくなる。






自身が思っている以上に疲労感に襲われているのだと実感した。








そして次の日。




起きた私は、身体のだるさが残っているのに気づく。
自分はこんなにも脆いのだと改めて思わされた。






ぐわぐわと揺れる世界の中、だけど学校には行かなくちゃ行けなかったのでなんとか用意をして部屋を出た。






部屋を出た際、隣の部屋のドアのところで誰かが背を壁に寄りかけてこちらを見ている姿があった。







視界がぼやけていて一瞬誰か理解が追いつかなかったが、




徐々にマッシュの髪型が見えてきてその人が棘くんだと気づく。









「棘くん、おはよう！」









回らない舌を何とか力を入れて言葉を発する。




…初の任務で体力を奪われてしまったなんてバレたくなかった。




情けないなんて思われてしまいそうで。









棘「……おかか」


「…え？」









まるで、無理に元気な振りをしていることをお見通ししているかのような視線を向けられて戸惑う。






そんな私をお構い無しにすたすたとこちらに近づいてくる棘くんは、





そのまま、んと何やら片手に持っていた袋を私に差し出してきた。









「え？？」

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