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夜の街と月光祭(7-5) ページ14

(クソッ、外れろッ!!)

全力で手錠と奮闘するものの、なんらかの魔法がかけられているのかビクともしない。

『それでは一斉に……開始!!』

司会者の合図に合わせて、我こそはと大量の〈吸血鬼〉達が次々と法外な値段を付けてゆく。
起きてても何もできない。
つきよさんに任された小さな女の子が、こんな野蛮な連中に、奪われてしまう。
自分の無力さに視界が涙で滲んできたその時。

凄まじい速度で天井を突き破って落ちてきた武装した〈吸血鬼〉が、俺のいる檻に衝突して金属板を血塗れの頭が突き破った。
白目を剥いたその〈吸血鬼〉と数秒目を合わせた後、ゆっくりとその頭が引き抜かれ、開いた大穴に思わぬ人物が顔を現した。

なんの感情も映さない、紅色の瞳。
首に掛けられた分厚い首輪。
一見して男が女か判別のつかない、その中性的な容姿。
先ほどの衝撃でサーチライトは壊れ、天井から差し込む月明かりしか光源がなくてもはっきりとわかる。

(九、ちゃん)

俺たちの求める人物そのものが、眼前にいた。

「な、なんだ貴様は!?」

司会者と思わしき〈吸血鬼〉が驚愕に震え、動揺に目を見開く。
九ちゃん……もとい、“ 九血鬼 ”は、つまらなさそうに武装した〈吸血鬼〉を放り投げ、隣の檻に目を向けた。
そして頑丈そうな檻の天井を素手で引きちぎった後、中から1人の人間を掴み出した。
黒髪にあの身長、愛ゴリだ。
しばらくまじまじとその姿を観察した後、猿ぐつわと手錠を引き裂いて、小脇に抱え込む。

「なっ、貴様商品をどうするつもりだ!!」

司会者が怒鳴り声を上げるが、九ちゃんはなんの反応も示さない。
それについに怒りが上限に達したのか、肩を震わせた司会者が牙をむき出した。

「ガキが……調子にのるな!!」

鋭い爪が九ちゃんに迫る。人間とは違う速度に、さっと血の気が引く。
しかし、その爪は九ちゃんに届く前にへし折られ、退屈そうに腕を振るえば司会者は弾丸のように客席へと飛ばされた。
そのまま九ちゃんは天井の穴から颯爽と夜の闇に飛び込んで、消えていった。

(ぼーっとしてる場合じゃねぇ!)

この混乱に乗じてなんとか拘束を解こうと懸命にもがく。
その上で何度かにどみとバケゆかを蹴ってしまい、小さく呻きごめが聞こえる。

「ん……?んんッ!?」

「……んむむ!?」

2人とも起きた。
猿ぐつわしてるせいで何て言ってるかわからんけど、とりあえず意識を取り戻したならここから出やすい。

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あんぴーなっつ(プロフ) - すぷらさん» わっ!コメントありがとうございます!mzmn界隈で見たことのある方から感想いただけて嬉しいです!これからも頑張ります(*´ω`*) (5月27日 14時) (レス) id: 236992ae33 (このIDを非表示/違反報告)
すぷら(プロフ) - うーん面白い(泣) 二神の友情シーン本当にすきで10回は読みました…… あとの2人のエピソードもめちゃくちゃ気になります……更新頑張ってください……!! (5月26日 17時) (レス) id: e0f418c1fd (このIDを非表示/違反報告)
あんぴーなっつ(プロフ) - minaduki.さん» コメントありがとうございます!むしろこんな作品に感動して下さってありがとうございます……(;°д°)読むの大変かと思いますが、これからもお付き合いください!閲覧ありがとうございました! (4月16日 17時) (レス) id: 236992ae33 (このIDを非表示/違反報告)
minaduki.(プロフ) - 初めまして!先輩となな湖さんの回で泣いてしまいました; ;世界観とか設定が作りこんであって素敵です!更新頑張ってください! (4月15日 21時) (レス) id: 11d6765567 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あんぴーなっつ | 作成日時:2019年3月18日 17時

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