重なる想いと記憶の残響（4-5） ページ38
「げっ、クソガキ」
「こいろ戻っちまった」
「こいろちゃーーーん！！」
苦虫を噛み潰したような顔をするズズ、とりなん先生と、嬉々としてこいろちゃんに抱きつくmegaちゃん。
「あぁーーmegaちゃん！！なんでいるのぉーーー！？」
氷に捕まったまま、水色の目をまん丸にしてmegaちゃんを見やるこいろちゃん。
ぱらぱらととりなん先生の拘束が解かれて、自由になったこいろちゃんは嬉しそうにmegaちゃんと抱き合っていた。
普段通りの騒ぎ具合に、とりあえずこいろちゃんを救えたと安堵する。
さっきまではあんなにも無表情だったせいか、くるくると表情を変えるこいろちゃんを見て、なんだか涙が……
「あれぇ！？うわぁーーズーズーだぁーー！！」
「うわぁってなんだようわぁって！！」
ようやくこいろちゃんも後ろに控えている俺たちに気づいたのか、ズズの姿を認識してゴキブリを見つけたときのように苦い顔をする。
あー、これぞズズいろだわぁ。
今日本家屋の縁側に座ってたら、間違いなく鹿威しの音色を聴きながら緑茶啜ってた。
「てかさ、こいろちゃん戻ったなら早く町に帰ろうよ。つきよさんすごく心配してたよ」
「えっ！？きーちゃんが！？」
あ、当初の目的忘れてた。
思い出したように手を叩いたバケゆかが、ズズから逃げ回るこいろちゃんに釘をさす。
それを聞いて、おろおろと焦り出すこいろちゃん。
うう、となんとも言えない唸り声を発しながら、きょろきょろと周囲を見回す。
「どうしたのこいろちゃん？」
堪らずに、俺はこいろちゃんにうろつく理由を尋ねると、こいろちゃんは泣きそうな顔でこうつぶやいた。
「……帰り方がわからないの」
＊
「はーい！無事にとーちゃーく！」
なんか、5分くらい同じところをぐるぐる回ってた気がするけど、なんとかとりっぴぃガイドに連れられて〈ハウンド町〉に戻ってきた。
またあの煌びやかな正門を潜り、魔法の溢れる町へと入ると、こいろちゃんは一目散に駆け出した。
「っ、おいまてこいろ！」
「こいろ警察追いつけねェよォ！！」
何も言わずに飛び出していったこいろちゃんに、とりなん先生と愛ゴリが引き止めようとするも、今のこいろちゃんには全く聞こえていないようだ。
仕方なく走り出したこいろちゃんの背中を追いかけると、向かった先はやっぱりあの場所。
宿屋『サターン』の看板が掛かった扉を、勢いよく開けはなつ。
「ただいま！きーちゃん！！」
「っ、おかえり！こいろちゃん！」
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あんぴーなっつ(プロフ) - 空屋さん» コメントありがとうございます！この話のバケゆかさんなら快く守ってくれると思いますよ笑閲覧ありがとうございました！ (2019年3月17日 13時) (
レス) id: 236992ae33 (このIDを非表示/違反報告)
空屋(プロフ) - この作品ものすごく好きです！バケりんに守られてぇ…！ (2019年3月13日 4時) (レス) id: 8e09062377 (このIDを非表示/違反報告)
あんぴーなっつ(プロフ) - もるさん» コメントありがとうございます！お褒めにあずかり光栄です……！あんまりガンガン更新はできないのですが、完結目指して頑張ります！ (2019年1月30日 18時) (レス) id: 236992ae33 (このIDを非表示/違反報告)
もる(プロフ) - 作風とか設定がしっかりしてて大好きです！混ぜメンのキャラにどれも合っててどのメンバーも好きになっちゃいます 更新大変だとは思いますが、頑張ってください応援しています(^○^) (2019年1月28日 18時) (レス) id: 14f50223ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんぴーなっつ x他1人 | 作成日時：2018年9月16日 20時
