【mzmn】俺らの世界救済RPG

空を回る、爪と橙（2-1） ページ16

2番は全てにどみさん視点でお送りします。

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『獣の山賊』退治に乗り出した俺らは、まずお互いの〈能力〉を確かめ合った。
〈能力〉の使い方は身体に染み付いているらしく、使おうとすれば勝手に使えるらしい。なんてご都合主義。
俺の〈能力〉は〈念話〉。
ヘッドホンを装着すれば勝手に心の声が流れ込んでくるのだ。

「それって聞くだけなの？こう、ビビーッて通信できるとかないの？」

「頭から電波出せって？？」

何か期待する目で問うmegaちゃんに、ダメ元でやってみたらなんと自分の心の声を送信できてしまった。
にどみすげーってmegaちゃんに拍手された。すごい……のか？？


とりっぴぃは〈創造〉という〈能力〉で、作りたいと思ったものを材料と道具さえあれば瞬時に作り出せるというもの。
試しにM.K.Rさんの伝説の剣を作らせたら、瞬きするくらいの時間で全く同じものをつくれたのだ。

「とりっぴぃさ、それ重くないのけ？」

正直〈能力〉がどうこう以前に、とりっぴぃの新しい服の腰のベルトにぶら下がっている如何にも重そうな工具の方が気になる。

「重いけど慣れた」

対してとりっぴぃは、指先でドライバーをくるくる回しながら、ベルト持ってみる？って聞いてきたけど音速で断ったった＾＾


megaちゃんは〈治癒〉。どうやら歌声にあらゆる傷や呪いを治す力が秘められているようだ。
とりっぴぃが作った簡易マイクを振り回しながら喉を潰す勢いでシャウトしてるのを見かけたけど、平気かね……

「にどみん、聞いてくれよォ！俺さ、試しにmegaちゃんの歌聞いたんだけどよォ、見ろよこれ！！指のささくれまでキレーに治ってんだよすごくね！？」

純粋な目ではしゃぐ愛の戦士に和みました。


バケゆかは〈障壁〉といういわゆるバリアをはる〈能力〉だ。薄紫色の半透明バリアは想像よりもずっと硬くて、愛ゴリの怪力パンチでも割れないほど。

「バケゆかすげぇ頼りになりそう」

「ホント？頑張る」

珍しく意気込んでいる様子。
多分はんじょうさんに作ってもらった服が気に入ってるらしいから、そのお礼のつもりなのかな。


愛ゴリは〈怪力〉。正直イメージがつきにくいけど、素手で大木折り倒すっていうのは、ヤバい(語彙力)。

「愛ゴリさぁ、この岩とかも素手で割れたりするのけ？ちょっと見たい」

「はァ！？無理だっつーの素手で殴ったら骨折するわ！！」

……せっかくかっこいい〈能力〉持ってるのに、イマイチ決まらないなぁ。

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