RPG展開は突然に（1-11） ページ13
「よかったね、一人見つかって」
慣れた手つきで壁に掛かったカンテラに燃料を補給しながら、はんじょうは平坦な声でそういった。
このはんじょうは俺らとは違って元の世界、つまり実況者だった頃の記憶がないらしい。遅くなったが、愛の戦士だ。
とりあえず、にどみんとmegaちゃんを小屋の中へ引き入れる。
「ほんとにねー！！いやぁにどみが狼のエサになってなくてよかったあ！！」
megaちゃんが豪快に笑いながらにどみんの肩をバシバシと叩く。
にどみん痛そう。
「でもよォ、まだあと6人も見つかってねェぞ？どーすんだよ」
俺としては率直な疑問をこの場の全員に投げかけてみるが、うーんと唸るような声しか返ってこない。
「もっと人が多い所に行けば？ここよりも情報が集まりやすいだろうし、〈能力者〉なんでしょ？」
カンテラを弄り終わったはんじょうが、口にした提案。
その〈能力者〉という単語に、はんじょうと会ってなかったにどみんだけが首を傾げた。
「にどみ、お前は以前と変わった所はないか？」
それを見かねてか、とりなん先生がにどみんに問いかける。
「変わった所？……そーいや、ヘッドホンが曰く付きになったけ」
曰く付き……？とりあえず、にどみんは首に掛けたヘッドホンを頭に装着する。
「ヘッドホンを付けると、声が聞こえる。……《ラーメン食べたいなぁ》？」
「ひっ！！にどみさん何故それを！？」
にどみんがヘッドホンを押さえながら、疑問形で変なことを口走る。
びくっと肩を跳ねさせたとりっぴぃが、あわあわと落ち着かない様子で慌てている。
「……《なぜ読まれたし！？俺そんなにわかりやすい！？》」
「ぎくっ」
「《また読まれた！？なんで！？》」
「ぎくぎくっ」
ここまでくりゃ俺でもわかってきた。
「にどみすげー！！多分〈心を読む〉感じの〈能力〉だよね！？」
「〈能力〉？」
「〈能力〉っていうのは、〈能力者〉が持つ特殊な力のこと。他の〈魔術師〉や〈戦士〉では取得できない力」
すげーとはしゃぐmegaちゃんにヘッドホンを外しながら疑問をぶつけるにどみんにそれに正確に答えるはんじょう。
にどみんに淡々と説明したあと、少し迷うような素振りをしてから、はんじょうが口を開き掛けて、
「それd「なあなあ〈能力者〉の人が来たってマジ！？」……」
……モロ被りで小屋に入ってきたのは、いかにも伝説の剣って感じの剣を肩に担いだ、
「……あのさM.K、俺に被せないでよ」
実況者であったM.K.Rだったのだ！
RPG展開は突然に（1-12）→←RPG展開は突然に（1-10）
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 44人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あんぴーなっつ(プロフ) - 空屋さん» コメントありがとうございます！この話のバケゆかさんなら快く守ってくれると思いますよ笑閲覧ありがとうございました！ (2019年3月17日 13時) (
レス) id: 236992ae33 (このIDを非表示/違反報告)
空屋(プロフ) - この作品ものすごく好きです！バケりんに守られてぇ…！ (2019年3月13日 4時) (レス) id: 8e09062377 (このIDを非表示/違反報告)
あんぴーなっつ(プロフ) - もるさん» コメントありがとうございます！お褒めにあずかり光栄です……！あんまりガンガン更新はできないのですが、完結目指して頑張ります！ (2019年1月30日 18時) (レス) id: 236992ae33 (このIDを非表示/違反報告)
もる(プロフ) - 作風とか設定がしっかりしてて大好きです！混ぜメンのキャラにどれも合っててどのメンバーも好きになっちゃいます 更新大変だとは思いますが、頑張ってください応援しています(^○^) (2019年1月28日 18時) (レス) id: 14f50223ee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あんぴーなっつ x他1人 | 作成日時：2018年9月16日 20時
