日向と木陰 (社会人Ver.) 5

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それから俺の家に帰ってからは、
「ゆーと、あのね、いっしょにただいま言えるの、うれしいなぁ。」
少し酔った慧が俺の首に腕を回して、
「ゆーとはうれしい？俺がここにいるの、うれしい？」
子供みたいにはしゃいで聞いてきてから、
「………ね、いっしょにシャワー、あびよ？」
急に色っぽく誘ってきて俺をバカみたいに夢中にさせた。


抱き終わってからまたシャワーを浴びて2人でベッドでごろごろしている時に、
「慧はさ、どんなのが好き？」
俺がうつ伏せになって腕を枕にのせながら携帯を触ってそう言うと、
「んー？何が？」
俺の体にぴたっと寄り添ってきて携帯の画面を覗き込んだ慧が、固唾を呑むのが分かった。

「……これって……。」
酔いが覚めている慧が戸惑いながら聞くから、
「結婚指輪。……どんなデザインがいいかなと思って。」
照れて慧の方は向けずに答える。
「本当は自分で選んでロマンチックな場所でさり気なくプレゼントするんだろうけど、2人でお揃いでつけるものだから慧の意見も聞きたかったんだ。……サプライズの方が良かった？」
少し不安になってそう言うと慧が抱きついてきて、
「これからずっと俺とゆーとと人生を過ごす指輪を、一緒に選ばせてくれてありがとう！」
とお礼を言ってくれた。
「しかもゆーとの1番側で……嬉しい、大好き！！」

素直な慧はとても可愛い。

「幾つか良さそうなのを選んで、今度お店に実際に見に行こうね。……慧、俺たちはこれから先、ずっと一緒なんだから、明日の夜からは自分の家で過ごしてね？」
抱きしめ返して2人で寝転って、頭を撫でながら優しくそう言うと、
「……嫌だ。ずっとゆーとと一緒にいる……。」
また反抗してから慧がすぐに寝息を立てて寝てしまった。

全くもう、と呆れながらもわがままな慧を胸に抱いて俺も眠る。

今日はドローだな。明日はどうかな？
と、そんな事をなぜか幸せに思いながら。

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