日向と木陰 (社会人Ver.)

(2) ページ31

……ふぅ……俺、生きてる？
ん？ギリだな。
ギリ生きてるなぁ、俺……。


しばらくお預けだと思ってた慧からの容赦ないゆーと大好き攻撃を全身で受けながらも、なんとか生きてると自分の生存確認をしていると、
「あ、ねぇ、じゃあさ、なんやかんやすぐ裸にされちゃったから今夜はその前にゆーとのシャツ着て寝てもいい？………え？じゃあ今夜はしないのかって？もう！ばかだなゆーとは！そこはゆーとの腕の見せ所だよ！」
ばしばしといつも通りに何も言ってない俺の肩を叩く慧に、
「………あの、もう少し強めでお願いします。」
何となくテンションを上げたくてそんな事を初めて言ってみた。


その夜の俺の腕の見せ所って？


お風呂上がりに俺の白シャツを羽織って恥ずかしそうにベッドに潜り込む慧に、
「俺のシャツ着た慧は可愛いけど、裸が1番可愛いから脱がすね……。」
と甘く囁いてボタンをゆっくり外す。
そしてそのまま剥がしたそのシャツを俺が羽織って、
「ね、俺にどうされたい？」
と慧にまたがって聞けば、
「……いっぱい、ひどくして下さいっ……あっ、だめ、ゆーとがかっこよくてもうっ……！！」
なんて今度は快感から震える慧の耳の裏を舐めて、
「後悔する位に、ひどくしてやる。」
低い声で囁くとそれだけで慧がとろけた。



これだけまた愛し合っても明日には切ない別れがくる。
けど、かけらでも楽しかった時間がお互いの胸に残れば残る程、心を強くしてくれるはずだから。


思ってた以上に盛り上がったぞ……と恋に恋して恋が今はとりあえず全てな俺は、慧の為に買った枕はそっちのけで自分の腕枕に慧の頭を乗せて、そして優しい眠りに就いた。


なかなかに楽しくて辛い社会人はまだ始まったばかり。

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