日向と木陰 (社会人Ver.)

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それから2人で蕎麦を食べに行って、その帰り道に近所のスーパーの入り口の前まできた所で俺が慧の左手を右手でさっと包んで片手で緑の買い物カゴをひょいっと持つ。
「どうする？野菜コーナーからでいいの？」
入り口から始まってる野菜コーナーを見てから慧を見ると何故か俺を見て固まっていた。

「どうしたの？行かないの？」
あんなにはりきってたのにと不思議に思っていると、
「……ダメだ、こんなに素敵な彼氏にエスコートされて買い物なんて……俺、ふさわしくない……手、繋ぐのやめとく……。」
と訳の分からないネガな部分を出してくるから、
「何言ってんの。こんなに可愛い恋人と買い物に来れて俺、世界で1番幸せ者なのに。」
と呆れた。
そんな俺に、
「だって！だって……俺っ……。」
とまだ何か慧が言おうとしているとそんな俺たちの横を通った奥様方が、
「あらー、随分かっこいい子ね。しかも隣の子なんてまぁやだ、男の子？信じられない、こんな可愛い子は女の子でもいないわよ。」
「本当に。どっちも素敵ねぇ。」
と朗らかに笑いながら通り過ぎて行った。

その瞬間に俺の手を慧がギュッと強く握り締めて、
「さ、ゆーと、行こう！野菜コーナーからだよ！」
自信に満ち満ちた顔でキリッとそう言った。

ありがとう、奥様方！と心の中でお礼を言いながらも慧の手のひら返すところ、嫌いじゃないなぁと内心可笑しく思いながら2人で野菜コーナーに向かった。

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