日向と木陰 (大学生Ver.)13

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そんな夏もだんだんと秋へと向かっていく最中に、俺と慧と林のグループラインに林から嬉しい報告があった。

『さっきやっと内定とれた。』

いつものそっけないひと言。
だけどすぐに報告してくれた事がとても嬉しい。

慧なんてはしゃいじゃって、
『お祝いしよう！俺、林の隣に座る！ゆーとは黙認する様に！』
なんて返してくるから林が、

『ぶっちゃけ内定取れたより嬉しい。』

なんてさらに返して慧のテンションは上がりっぱなしだった。


嬉しいけれど、またひとつ、時間が動いた様な気がした。

高校から大学へ。
そして社会人へと。

大切な仲間とのかけがえのない時間もそろそろ終わろうとしている。


でも今は寂しい、を感じたくない。


俺が、
『では俺たち3人でお祝いしよう。林の隣は慧、その隣には俺が座ってね。』
そう返信すると、

『電車かよ。』と、林。
『特等席だ！』と、慧。

俺は笑って少し自分の部屋の天井を見上げる。


……まだもう少し、このままでいたいんだ。

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