日向と木陰 (大学生Ver.)12

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俺は電話したままぶらぶら歩き出して、
「確かめる余裕もなくショックで逃げ出すなんて、どんなに俺の事好きなんだって話。しかもちゃんと反省してるし。偉いね、俺を責めずに自分を責めて。こんなに良い子の彼氏で、俺、幸せ。」

本当、なんで慧ってこんなに素直で可愛いんだろと思ってにやにやが止まらない。

『……ゆ、ゆーとって普段真面目で考えすぎなのに、なんで変な所でポジティブなんだよ！？』
慧の問いかけに、
「慧のおかげだよ。いつも全身全霊かけて俺を好きでいてくれるから………。あ、でもそうしたら俺の愛、足りてない？ごめんね、やっぱり今夜、たくさん、あ、やっぱりひどく、かな？とにかくめちゃくちゃに愛してあげるね。」
少し申し訳なさそうに答える。

すると、
『………もう、俺、帰ってるから。ゆーとに合わせる顔、無いもん……。』
悲しそうな慧に、
「そう？でも、結構近くにいるよ？」
俺がそれだけ言って電話を切って、少し離れた場所に立っている慧に直接、
「見つけた。」
と声をかけた。


やっぱり帰らずに隠れていたであろう慧が電話しながらうろうろしてるうちに、知らず知らず逆に俺と近付いていってしまったらしい。


そしてそんな俺と目が合うと明らかにしまったという顔をして回れ右して走り出す慧。
それを逃すまいと追う、俺。

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