日向と木陰 (大学生Ver.)11

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何かこれに勝る甘酸っぱさを与えなければとじわじわプレッシャーがかかる俺に、
「ねぇ、怒ってごめんね？……嫌いになった？」
繋いだ手を少し揺らしながら慧が不安そうに聞いてくるから、
「全然。照れる慧も怒る慧も拗ねる慧も可愛いよ。誰にも見せたくないから俺から離れないでね？」
と、言った。

本音だから躊躇わずにすらすらと出てくる俺の言葉に慧が、
「………はぅっ……！ネクタイに白シャツ、腕まくり………甘い言葉………苦しいっ……。」
繋いだ手と反対側の手を胸に当てて苦しそうにする。

なんだか良く分からないけど、別にかっこつけなくて普段から思っている事を言うと慧には響くんだなと思った。………シチュエーションも大事そうだけど。

閃いて、
「ね、慧は俺の婚約者だよね？」
優しく笑ってそう聞けば、
「………うん………ふつつか者ですが、よろしくお願いします………。」
照れて繋いだ手をぶんぶん揺らす慧。

くっ………なんでお嫁みたいな事を……けどなんかいじらしくてそれも良いっ……！

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