今日も明日も、その先も。

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黄side





姉「智と同じ病気の方の中でも、智は特に進行が早いって言われとるんです。このままいけば、１年もつかどうか」


赤「···１年」


姉「そう。やから、智も困惑しとるんやと思います。今まで大切にしとった思い出なんかも全部、忘れてまうから」







さっきの話だけでは、分からんかったこと。


杏子さんの口からつらつらと並べられていく言葉は、あまりにも重い。







“ほんまに···治すことはできんのですか？”







その問いかけに、杏子さんの首が縦に振られることはなくて。


誰かが口した悲痛な思いも簡単に裏切られていく。






姉「でも、完治は難しくても、進行を止めることは出来るかも知れないんです」


紫「やったら···！」


姉「私たちやって、治療してほしいって思ってます。でも、この治療にはリスクがあるから」






やけど、俺たちは諦めたくなんかない。






「成功確率は極めて低いにも関わらず、副作用が多いのがこの治療の特徴である。頭痛、吐き気、目眩、動悸。視力や聴力を失う可能性も高い」


姉「···よく知ってるね」


「調べたんです、さっき。神ちゃんのこと支えるには、変わらなあかんと思ったから」






俺たちはまだまだ知らへんことが多すぎる。


やからこそ、諦めるには絶対まだ早い。


ちょっとでも知れることは知って、俺たちが支えるんや。

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