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…アリスは、パチリと目を覚ました。
何時だろうか。そう思うも、時間を確認するものがここにはなかった。
部屋を出て、ダイニングテーブルがある所へ向かうと、そこでドンドン、と荒々しく扉を叩く音がした。
まだ半分寝かかっていたアリスは、その音で目が覚めた。ドタドタと走る音が聞こえ、少ししてハッターがやってきた。どうやら今の乱暴なノックで目が覚めたらしい。
｢アリスか、おはよう。よく眠れたか？」
「ええまあ、ぐっすり…じゃなくて、一体何事？」
「トランプ兵の徴税だ、くそったれ。誰が払うものか｣
寝起きということもあるだろう。いつにも増して、不機嫌そうなハッターの声。アリスは、ハッターの様子と今も乱暴にノックされている事から、きっとマトモな徴税に来た人ではないだろうな、と予測をつける。
そして、ハッターが音が止んだタイミングで扉を開けて外に出て、直ぐに閉めた。すると、そこには3人のトランプ兵が何やら書状を持ってやって来ていた。
トランプ兵達は、ここ(書状)に書いてある通り、ここに住むには徴税が義務なのだと、そう言い張る。
｢あ？誰が決めたンなこと！俺は従わねぇからな！｣
ハッターはそう言って、
だが、やはりトランプ兵ごときではハッターの相手にはならなかったようだ。アリスの出る幕もなく、あっさりと倒されてしまった。
と、そこでふとハッターの家とは、違う方向へ向かうトランプ兵達を見つける。その方向を見たハッターは、急いでそのトランプ兵達を追い掛けるのだった。アリスもハッターの後を追う。
追いかけた先にあったのは、家だった。しかし、窓は閉まっていて、どこか寂れた雰囲気があった。無人なのだろうことは、何となく見て取れた。にも関わらず、トランプ兵達は、中に押し入ろうとしているではないか。ハッターは、無言でトランプ兵達を倒すと、能力を解いた。
彼が能力を解いたという事は、安全なのだろう。そう思って、アリスも能力を解いた。
｢ねぇ、ここは誰の家なの？｣
｢ここは、あいつ――チェシャの家だ｣
｢！｣
家の前に佇むハッターは、どこか寂しげだ。チェシャが居なくなってから、徴税の度にこうやって、トランプ兵達から家を守っていたのだろうか。そう思うと、アリスは、ギュッと心臓が握られるような感覚がした。
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ユエル(プロフ) - クルルさん» コメありがとうございます！不定期更新ですが頑張りますね(^^) (2021年1月11日 13時) (
レス) id: 673d6f73a6 (このIDを非表示/違反報告)
クルル(プロフ) - めちゃくちゃ面白い！！！！サイコーです！！続き待ってます！！ (2021年1月3日 23時) (レス) id: 297c8a2c3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユエル×日向なつ x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年5月21日 1時
