1-18(ユエル) ページ23
ハッターがそう言った途端。ホワイトはトランプ兵を呼び出した。その数は10はいるだろうか。だが、ハッターは後ろにいるアリスを守るように、構える。アリスも咄嗟の時に動けるよう、軽く足を開いておく。
｢さぁ、この者達を始末なさい｣
ホワイトの声に、トランプ兵達が襲いかかってくる。ハッターは、器用にアリスを守りながら、トランプ兵達を殴り飛ばしていた。しかし、やはり有効打は入れられないようで、殴って距離を稼いでいるだけである。
これではこちらが不利なままだ。なにか打開策はないか――アリスが考えていた時だった。
｢おいアリス！
「任め――何！？」
「俺に、おまえを、護らせろ！」
｢――！」
その瞬間、迷いは消えた。
「白の
アリスが、そう告げた瞬間。ハッターは白の光に包まれた。それは一瞬の事で、瞬きすればその光は消えていた。代わりに、ハッターは帽子を取り、レイピアのような細身の剣を帽子の中から取り出していた。そして、帽子が盾に変化する。
｢
細身の剣でトランプ兵達を倒すハッター。突きをメインに、時折切っ先のみを使って斬ったりもしている。そして、斬られたトランプ兵達は地に伏し、ピクリとも動かない。ハッターは、決してアリスの傍を離れようとはしなかった。槍で突かれれば盾で防ぎ、剣で斬りかかられれば、ハッターは手持ちの剣の腹を使い受け流していた。
｢すごい……｣
思わず、アリスは言葉を零していた。ハッターは傷1つ負わず、トランプ兵達を倒してしまった。これにはホワイトも眉をひそめた。まさか、倒されるとは思っていなかったようだ。
｢おや、これは予想外だ。貴方、随分と戦い慣れていますね。もっと手こずると思っていたんですが……｣
｢はっ、残念だったな！｣
ホワイトは、はぁ、とひとつため息をこぼすと、肩を竦めた。そして、一言。
｢来い｣
その一言で、どこに居たのか黒い人影が現れた。否、現れた者は、腰下まであるだろう濃いピンクの髪に同じ色の猫耳、濃いピンクとピンクの縞模様の尻尾。どう見ても、猫である。
｢……は、え、おま、え……チェシャ――？｣
ハッターは目を見開いて、目の前に現れた彼にそう言った。
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ユエル(プロフ) - クルルさん» コメありがとうございます！不定期更新ですが頑張りますね(^^) (2021年1月11日 13時) (
レス) id: 673d6f73a6 (このIDを非表示/違反報告)
クルル(プロフ) - めちゃくちゃ面白い！！！！サイコーです！！続き待ってます！！ (2021年1月3日 23時) (レス) id: 297c8a2c3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユエル×日向なつ x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年5月21日 1時
