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不意にホワイトが一歩踏み出し、その手が一輪の薔薇を手折る。
「ホワイトさん？ 何を……」
「……っと。少し、失礼しますよ」
丁寧に
「あなたは充分、綺麗なお嬢さんですよ。美しい女性には、高貴な薔薇の花が似合う」
差し出された花の色は鮮やかな赤。花弁はふんわりと重なり、甘い香りが鼻腔をくすぐる。
「だからどうかーー場違いなどと、思わないで頂きたい」
困ったように笑む、その表情があまりに綺麗で……アリスは思わず赤くなり、その純白のひとから目を逸らしてしまった。
「あ……あ、そうだ、ホワイトさん！」
空気を変えようと上げた声は上ずっていた。
(お、落ち着け、落ち着けー、あたし……！)
「え、えーっと……その……そう、そのラペルピン！」
ホワイトはきょとん、と紅玉の眼を瞬かせた。
「そういえば、"あちら"でも気にしていましたね。……そんなに、珍しいものでしょうか？」
白い絹手袋をはめた細指が襟元をもてあそぶ。
「珍しい、というか……ホワイトさん、《黒の
ぴた、とその指先が止まった。
「……どうして、それを？」
心なしか冷たくなった声音に、アリスは思わず息を呑む。
「え……どうしてって、それは、この」
ブローチに視線をやり、ああ、と嘆息とも肯定ともとれない音を吐いた。
「そう、でしたか……では、あなたと私は敵同士というわけですね」
「え……」
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ユエル(プロフ) - クルルさん» コメありがとうございます！不定期更新ですが頑張りますね(^^) (2021年1月11日 13時) (
レス) id: 673d6f73a6 (このIDを非表示/違反報告)
クルル(プロフ) - めちゃくちゃ面白い！！！！サイコーです！！続き待ってます！！ (2021年1月3日 23時) (レス) id: 297c8a2c3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユエル×日向なつ x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年5月21日 1時
