1-6 ページ11
「この世界……
「そんなに……酷い話ね」
想像を超える内容に、アリスは軽く眉をひそめる。
「ぼくも本で読んだことがあります。本当に、ひどい時代だったって、書いてました」
「ネズミも……絵本で、ちょっとだけ知ってる。白のお姫様が、悪い女王様をやっつけるの」
「白い、お姫様？ 勇者とか王様とかじゃなくて？」
首を傾げるアリスに、マーチが小さな首をこくりと縦に振った。
「お姫様だよ。ひらひらで、きらきらなの」
「え、ええっと……」
「スーリ！ ぼくと一緒に遊んでこよう？ ハッター、ぼくたちお外で遊んできますね！」
「あ、ああ。怪我に気を付けろよ」
要領を得ないスリーピーの発言とはてなを浮かべるアリスに、これでは話が進まないと判断してかマーチがスリーピーとともに家を出る。苦笑いでそれを見送るハッターと目が合ってしまい、思わず見つめ合う。
「……ええと……なんか、ごめん？」
「いや、こっちこそ……チビたちがすまない」
「良いわよ、子どもは嫌いじゃないし。それで、さっきの白いお姫様ってのは？」
「ああ、さっき少し話した『伝説』というのがまさにそれなんだ」
遠い昔、この国を生んだ神様は、国を治める女王のために特別な力……命持たぬモノを《
誰より近くで《
自在に国を駆け、その見識で二人を支える《
清らかな心で彼らに道を示す《
彼らの心を護り、癒しを与える安息の場所となる《
神様はこの称号を持つ者たちに、何ものにも染まらぬ黒を掲げさせた。
しかし、初代ハート女王はその称号を私欲のために使い、これを見た神様は落胆した。そして民を護るため、対となる白の陣営を新たに作ったのだ。
それ以来、黒の陣営に不和が生じたとき、それを諌め民を護るため、《白の
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「トリップ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユエル(プロフ) - クルルさん» コメありがとうございます！不定期更新ですが頑張りますね(^^) (2021年1月11日 13時) (
レス) id: 673d6f73a6 (このIDを非表示/違反報告)
クルル(プロフ) - めちゃくちゃ面白い！！！！サイコーです！！続き待ってます！！ (2021年1月3日 23時) (レス) id: 297c8a2c3d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ユエル×日向なつ x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年5月21日 1時
