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百五十三話 仲間の温もり ページ19

無一郎side




上弦は二体どちらも倒すことが出来た。

僕は記憶を思い出すことが出来たし、里の被害も最小限に抑えることに成功した。




「甘露寺さん、苦しい」

「ごめんねぇえ!でも絶対に離さないからァ!!」



流石に六人で抱き合うのは暑いし苦しい

そしてふと足りない気がして当たりを見渡せば、Aさんが木に寄りかかって僕の大好きな優しい笑みでこちらを見守っていた。




「ねぇ…」

「どうしたの?時透君。」

「Aさんが仲間はずれだよ。」





そう言えば全員バッとAさんの方を見る。
いきなり視線が集まったからなのか、Aさんは目を丸くして驚く。




「太刀川さん!一緒にギュッてしましょう!」

「おいおい、炭治郎。十代の輪の中に二十過ぎのおっさんぶち込むって中々鬼畜だぞ。」

「太刀川さんもこっち来て私達と抱き合いましょー!」

「いや、やめとくよ。伊黒に殺されちゃ適わんからな。」




そう言ってAさんは視線を空へとズラす。

そう言えばAさんは誰とでも仲が良いが距離感が少し遠い気がした。
あの人は多分人を不快にさせない程度に距離を置くのが上手いんだ。


なんでそんな寂しいことするんだろう。まるで自分は他の人とは悪い意味で違うとでも言うように……
僕の頭を撫でてくる時だってすごく躊躇してくるから、結局いつも僕がAさんの手を掴んで無理矢理撫でさせてた。




―――――"俺は汚れてるから"



いつの日か寂しそうな目でAさんが言ってた。
そんなことないんだ。貴方の手はたくさんの人を救って守った綺麗な手なんだ。

傷だらけなのも貴方が守るために頑張った証なんだよ。




「皆、柱命令。」

「?」

「Aさんを力一杯抱き締める」

「!…了解!!」




足に精一杯の力を込めてAさんの方へと皆で走り出す。

余所見をしていたAさんは一斉に飛びかかってくる僕達を見て整った顔を歪めてギョッとする。




「は!?いきなりどうした!」

「もう絶対離さないから!」

「今日は太刀川さんが甘えても良いのよ!」

「俺、長男なんで!甘えてもらっても大丈夫です!」

「あの、太刀川さん。すみません……」

「が、がんばったねぇ」




一斉に抱き着いたせいかよろけたAさんだがその細い腕で全員をしっかり抱きとめてくれた。
皆でギュッと力一杯抱きしめていれば、小さな声で「ありがとう…」と聞こえた。

涙を一筋流して笑うAさんはどんな宝石よりも綺麗だった。

百五十四話 復活柱→←百五十二話 決戦終結



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菜穂(プロフ) - 瑠碧さん» すみません間違えて違う人にレスしてました。ピクルーのキミの世界メーカーだったと思います (2022年1月16日 14時) (レス) id: 97df43ce45 (このIDを非表示/違反報告)
マロン - 百五十五話のヘルメットって壱とかでやりすぎ都市伝説でてきてるんで今更ですよね() (2020年10月2日 20時) (レス) id: 31c3af07a3 (このIDを非表示/違反報告)
瑠碧(プロフ) - 壱から読んできました!とても面白いです!ところで、このイラストって、何メーカーさん使ってるんですか? (2020年9月5日 10時) (レス) id: 3cee96974c (このIDを非表示/違反報告)
うんうん - しのぶちゃん生きて欲しい。そして、二人の恋愛が見たい!!これは私の願望なので、決まったオチで構いません(上から目線でスミマセン)ですが!二人のそういった絡みは見たいです!! (2020年8月17日 1時) (レス) id: 0f3063d9b8 (このIDを非表示/違反報告)
ぽみぃ(プロフ) - その癖は今回は直さなくて大丈夫です‥‥とっっってもおもしろいので!!終わり方気になります!何から目線って感じですが、書きたいように書いちゃって下さい!私はそれが一番好きです!!ギャグもシリアスも最高!! (2020年8月16日 20時) (レス) id: 9044165cab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:AOI 3 | 作成日時:2020年7月23日 20時

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