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百四十九話 蠱毒 ページ15

無理矢理閉じ込められた馬鹿でかい壺の中は薄暗く蓋も閉じられている。




「やだよ……兄貴!俺は兄弟を殺したくねぇ!悟(弟)はまだ七歳だ!アンタらも十五だろ!?」

「ああ、そしてお前は十歳。霊力も安定してきた時期だろ。」

「なっ、なんで……そんな諦めた顔してんだよ。」




兄貴は双子だが片方はいつも元気で片方はいつも冷静で無表情だった。そんな二人が諦めようにフッと悲しく笑っていた。




「ぜっ、絶対!全員助かる方法がある筈なんだ!だから…頼むから…生きること諦めんなよ…
!」

「A……分かってるだろう。鬼に献上されるのが素質のねぇ俺たち。生きるのが素質も霊力もあるお前なんだ。」




いつも元気な方、(はやて)がまるで当たり前のことを言うかのように平坦な口調で俺を諭す。




「服の中にこれが入ってたんだ。」

「そっ、それ……」

「あぁ、自爆の札だ。」




こいつを首に貼れば一発で黄泉の国行きだといつも冷静な方、(カナデ)が冷たく言葉をこぼす。




「良いか、A。お前は絶対に生きろ。生きて誰かを救え。」

「太刀川家は鬼に平伏する道を選んだがお前は違う。その才能と霊力を無駄にするな。お前みたいな男は縛られるより自由に生きてる方が似合ってる。」

「なんでっ……」

「生きてよ兄ちゃん。僕は大丈夫。奏兄ちゃんと颯兄ちゃんがいるから。」




嘘つけよ。お前ら全員震えてんじゃねぇか。死ぬの怖ぇ癖にカッコつけんじゃねぇよ。




「A」

「!」


父ちゃんと俺達の分まで自由になれ





首に貼られた札から呪いが周り血まみれになりながら兄弟は死んだ。

俺のせいだ。俺が生まれたからコイツらは…生きるのを諦めたんだ。俺の分だけコイツらに均等に霊力があれば未来は変わったかもしれないんだ。

百五十話 決意→←百四十八話 孤独の回想



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菜穂(プロフ) - 瑠碧さん» すみません間違えて違う人にレスしてました。ピクルーのキミの世界メーカーだったと思います (2022年1月16日 14時) (レス) id: 97df43ce45 (このIDを非表示/違反報告)
マロン - 百五十五話のヘルメットって壱とかでやりすぎ都市伝説でてきてるんで今更ですよね() (2020年10月2日 20時) (レス) id: 31c3af07a3 (このIDを非表示/違反報告)
瑠碧(プロフ) - 壱から読んできました!とても面白いです!ところで、このイラストって、何メーカーさん使ってるんですか? (2020年9月5日 10時) (レス) id: 3cee96974c (このIDを非表示/違反報告)
うんうん - しのぶちゃん生きて欲しい。そして、二人の恋愛が見たい!!これは私の願望なので、決まったオチで構いません(上から目線でスミマセン)ですが!二人のそういった絡みは見たいです!! (2020年8月17日 1時) (レス) id: 0f3063d9b8 (このIDを非表示/違反報告)
ぽみぃ(プロフ) - その癖は今回は直さなくて大丈夫です‥‥とっっってもおもしろいので!!終わり方気になります!何から目線って感じですが、書きたいように書いちゃって下さい!私はそれが一番好きです!!ギャグもシリアスも最高!! (2020年8月16日 20時) (レス) id: 9044165cab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:AOI 3 | 作成日時:2020年7月23日 20時

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