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告白その24 ページ25

*


「くしゅん!!」


体温計を見ながら、盛大なくしゃみをした。


点滅する38.9の数字。


これは休むしかないかぁ。


ヒーロー目指してるのに風邪なんて、情けなさすぎる。


スマホを手元まで移動させて、ゴホゴホ咳き込みながら電話をかけた。


「もしもし…ゴホッはい、1年A組の操瀬Aです…ゴホゴホッうえっ………体調、不良で…はい、すみません…よろしくお願いします…」


電話を終えたあと、すぐにベッドに倒れ込む。


想像以上に辛いな、これ。


寝よう。



*



ドンドンドンドンドン


この音なに?


うるさいなぁ…


ドンドンドンドンドンドンッ!!


耐えきれずに目を開き、午前中よりかはいくらか軽くなった身体を起こす。


「今開けますよー」


音の正体がドアをノックするものだと知り、ドアを開けた。


「大丈夫か?」


目の前に綺麗なオッドアイが広がった。


なんで…


鼻先がくっつきそうなほど近くにいる轟くん。


恥ずかしすぎて思わずその場にしゃがみこんだ。


「やっぱり具合悪いのか…今ベッドまで運ぶからな」


「え!?ちょ」


お姫様抱っこでベッドまで運ばれる。


これは熱が出た私が生み出した妄想の世界なの?


「急に押しかけて悪かった。ただ、Aが心配で…」


轟くんが、少ししゅんとしながら私をベッドに下ろす。


「だ、大丈夫!来てくれてありがとね」


そう言って微笑むと、少し安心したように轟くんが頷いた。


心配してくれたんだね。


妄想だなんて思ってごめんなさい。


「A、頭冷やしてやろうか?」


「あ、お願いします」


実は冷えピタが切れてたところだったのだ。


轟くんの個性ほんと便利。


「これくらいでいいか?」


「うん、ちょうどいい〜」


轟くんの冷たい手が額に乗る。


そうそう、この冷たさが恋しかった。


「首とかも冷やすといいらしいが…」


「それって首がしまるんじゃないかな」


轟くんのことだから力加減ミスりそう。


1人でクスクス笑っていると、轟くんが不思議そうに私を眺めていた。



*

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婾纚儺 - ほっこりホコホコ (2018年12月2日 8時) (レス) id: abf7718af2 (このIDを非表示/違反報告)
れの(プロフ) - メダカさん» ほっこりしていただけたのならとても嬉しいです!コメントありがとうございます! (2018年8月25日 22時) (レス) id: 6cc8b71c99 (このIDを非表示/違反報告)
メダカ - 番外編も可愛かったぁ〜(*´∀`*)ほっこり(*´`*) (2018年8月25日 18時) (携帯から) (レス) id: 238af52e71 (このIDを非表示/違反報告)
れの(プロフ) - 杏さん» わかりにくくて申し訳ありません!もともと急須にお茶が入ってて、その急須に入っているお茶をティーカップに注いでいるという状況です。 (2018年8月21日 10時) (レス) id: 6cc8b71c99 (このIDを非表示/違反報告)
- 急須にお茶いれてるんじゃなくて、ティーカップなんですか?? (2018年8月21日 9時) (レス) id: 664b772586 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れの | 作成日時:2018年8月19日 21時

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