告白その17 ページ18
*
「俺も、Aに会うためだったなら…みんなに会うためだったなら」
轟くんは、私に向かってそう言いながら、
「あのときの苦しみも、報われるような気がする」
ゆっくりと微笑んだ。
轟くんがあんなに優しい表情を浮かべるってことを、恥ずかしながら初めて知った。
知らないうちに涙も止まっていて、なんだか心がぽかぽかしている。
あぁ、なんて幸せなんだろう。
彼の隣にいると、本当に幸せだ。
「そろそろ帰るか」
「うん」
小指同士を絡めて寮まで歩く。
手をしっかり握らないこの距離感が、なんだか私たちらしい。
「ねぇ、轟くん。なんで私のことが好きなの?」
ずっと疑問に思っていたことを尋ねる。
すると、相変わらずのポーカーフェイスに戻っていた轟くんは、すこし恥ずかしそうに頬をかいた。
「聞かれてもわかんねぇけど…なんだろうな。お前をみてると、「好きだ」って思うんだ」
それじゃダメなのか?と首を傾げる轟くん。
「ダメじゃ…ないと思う」
思った以上に恥ずかしいな。この質問の答えきくの。
「ありがとう、轟くん」
「そういうところ」
「え?」
「ありがとうっていってくれるところをみても、好きだって思う」
顔に熱がたまるのがわかる。
さすが天然王子だ。無自覚で少女漫画的展開をつくっている。
「あと、すぐそうやって照れるところも…」
「も、もう大丈夫!わかったから!」
嬉しいけど、恥ずかしい。
そんな気持ちは、なぜだか心地よいものなのだ。
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婾纚儺 - ほっこりホコホコ (2018年12月2日 8時) (レス) id: abf7718af2 (このIDを非表示/違反報告)
れの(プロフ) - メダカさん» ほっこりしていただけたのならとても嬉しいです!コメントありがとうございます! (2018年8月25日 22時) (レス) id: 6cc8b71c99 (このIDを非表示/違反報告)
メダカ - 番外編も可愛かったぁ〜(*´∀`*)ほっこり(*´`*) (2018年8月25日 18時) (携帯から) (レス) id: 238af52e71 (このIDを非表示/違反報告)
れの(プロフ) - 杏さん» わかりにくくて申し訳ありません!もともと急須にお茶が入ってて、その急須に入っているお茶をティーカップに注いでいるという状況です。 (2018年8月21日 10時) (レス) id: 6cc8b71c99 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - 急須にお茶いれてるんじゃなくて、ティーカップなんですか?? (2018年8月21日 9時) (レス) id: 664b772586 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れの | 作成日時:2018年8月19日 21時