告白その16 ページ17
*
「ごめんね、こんなこと話しちゃって」
少し申し訳なくなって、ずっと静かに聞いていてくれた轟くんに謝った。
「いや、別にいい」
轟くんは少し何かを考えるように目を伏せて、それから私の頭をポンポンと撫でてくる。
「俺はお前を知ってる。操瀬Aは、少し自分に自信がなくて、でもその分人に優しいやつだ。そのくせ自分にはちっとも優しくねぇから、俺が優しくしねぇとって思っちまう」
轟くんの言葉が、ゆっくりと胸に広がっていく。
「それが俺が好きな、操瀬Aってやつだ」
気付いたら涙が出ていた。
なんでだろう。
なんでこんなに嬉しいのに涙が出るんだろう。
「わたし…良かった」
涙を流しながらゆっくり話す。
今、伝えたいと思ったことを。
「あのときは辛かったけど、今こうして幸せなのは、きっとあのとき苦しんだから」
あと少し。
どうかあなたには伝わってほしい。
「私ね、轟くんやみんなと会うためなんだったら、あのとき苦しんでいて良かったって思えるんだよ」
そういって、ちゃんと笑った。
今が幸せだってことを、あなたに伝えるために。
「ありがとう、轟くん」
そのとき彼の表情が、ふわりと柔らかくなった。
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婾纚儺 - ほっこりホコホコ (2018年12月2日 8時) (レス) id: abf7718af2 (このIDを非表示/違反報告)
れの(プロフ) - メダカさん» ほっこりしていただけたのならとても嬉しいです!コメントありがとうございます! (2018年8月25日 22時) (レス) id: 6cc8b71c99 (このIDを非表示/違反報告)
メダカ - 番外編も可愛かったぁ〜(*´∀`*)ほっこり(*´`*) (2018年8月25日 18時) (携帯から) (レス) id: 238af52e71 (このIDを非表示/違反報告)
れの(プロフ) - 杏さん» わかりにくくて申し訳ありません!もともと急須にお茶が入ってて、その急須に入っているお茶をティーカップに注いでいるという状況です。 (2018年8月21日 10時) (レス) id: 6cc8b71c99 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - 急須にお茶いれてるんじゃなくて、ティーカップなんですか?? (2018年8月21日 9時) (レス) id: 664b772586 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れの | 作成日時:2018年8月19日 21時