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告白その15 ページ16

*



「なんであの子はなんの特技もないの…?お姉ちゃんは雄英にいってるのに…」


「そんなこというなよ。健康なだけで充分だろ」


「あなたは子供のこと何も考えてないからそんなこと言えるのよ!」



中学2年の夏、夜目が覚めると両親がそんな言い争いをしていることが増えた。


私はもともと、成績は中の下くらい。


特技も苦手なこともなく、これといって将来の夢もない。


そんな私を、少なくとも母はよく思っていないみたいだった。


「またこんな成績とって!あんたほんとになんの取り柄もないわね!!お姉ちゃんを見習いなさいよ!」


「ご、ごめんなさい…」



二学期になってテストや成績表を持って帰ると、必ず母に怒鳴られる。


私はそれが怖くて毎日勉強するようになった。


でも、母の態度は少しずつ良くなっている私の成績をみても何も変わらない。



「あんたねぇ、こんなほんの少し成績が良くなったくらいで調子のってんじゃないわよ!!あんたはできそこないなの!ダメな子なのよ!地味でなんの取り柄もない。ほんと、こんなのが私の子供だなんて信じられないわ…」



「ごめんなさい、ごめんなさい…」



それも、怒鳴るのは決まってお姉ちゃんとお父さんがいないときだった。


怖くて誰にも相談できず、母に怯える日々


でも、人には限界というものが必ず来る。



「本当に、あんたはお姉ちゃんと違って…」



「違うに決まってるでしょ!?」


気が付いたら口が勝手に動いていた。


もう自分でも止められなかった。


「あんたなんてことを…」


「私はお姉ちゃんじゃないし、あんたの思い通りになる操り人形でもない!!私は…私なのよ!!!なんで私を見てくれないの!?なんで…!!」


そのときの母の、怯えるような、私を蔑むような瞳をまだ忘れられない。


その日から、私と母は1度も会うことはなかった。


母の異変に気付き始めていた父が、母を母の実家で休養させたからだ。




私は母を見返すために、雄英を受験することを決めた。


寝ずに勉強して、こっそり個性を使ったり体を鍛えたりする日々。


自分に才能がないことは自覚済みだったから、あのときはほんとに必死だったな。


でもね、今思うと、雄英にいった本当の理由は母を見返すためじゃなかったのかもしれない。





きっと私は、自分を証明したかったんだ。


お姉ちゃんでも誰でもない、私は私だってことを、お母さんに証明したかっただけなんだよ。


*

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婾纚儺 - ほっこりホコホコ (2018年12月2日 8時) (レス) id: abf7718af2 (このIDを非表示/違反報告)
れの(プロフ) - メダカさん» ほっこりしていただけたのならとても嬉しいです!コメントありがとうございます! (2018年8月25日 22時) (レス) id: 6cc8b71c99 (このIDを非表示/違反報告)
メダカ - 番外編も可愛かったぁ〜(*´∀`*)ほっこり(*´`*) (2018年8月25日 18時) (携帯から) (レス) id: 238af52e71 (このIDを非表示/違反報告)
れの(プロフ) - 杏さん» わかりにくくて申し訳ありません!もともと急須にお茶が入ってて、その急須に入っているお茶をティーカップに注いでいるという状況です。 (2018年8月21日 10時) (レス) id: 6cc8b71c99 (このIDを非表示/違反報告)
- 急須にお茶いれてるんじゃなくて、ティーカップなんですか?? (2018年8月21日 9時) (レス) id: 664b772586 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れの | 作成日時:2018年8月19日 21時

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