79杯目 ページ33
「お邪魔します」
「おや、初めて見る顔じゃのう」
「はじめまして、紅葉の姐さん」
「私のことを知っておるのか?」
「もちろん」(ニコッ)
やっぱり笑顔がぎこちなく感じる。
扉を閉め、部屋に掛けられている鏡を見た。
ああそういうことか、
そこに映っていた私の目に光などなかった。
「お主、こんな所に一体何の用じゃ?」
「いえ特に。まぁ強いて言うなら姐さんの顔を見に」
「私の?」
私は気持ちの悪い笑みを浮かべてこう言った。
「鏡花ちゃんなら大丈夫ですよ」
「!?」
「ちゃんと試験に合格して自分の望む側で生きていける」
「何故わかる・・?」
「さぁ何故でしょう?」
「お主のその感じ、太宰の奴と似ておるの」
「皆に言われますけどそれ嬉しくないです」
「褒めておらんよ」
(ムスゥッ)
「まぁいいや。そうだ姐さん、一つ聞いても?」
「なんじゃ?」
「Qちゃんの行きそうな場所ってわかります?」
「・・・知ってどうする」
「うちに連れて帰ろうかなって」
「彼奴がどのような者か知っての発言か?」
「もちろん」
「・・・」
「・・・」
お互いに無言で見つめ合う。
先に言葉を発したのは私だ。
「あの子は自分を守るために性格を歪めてしまった。本当はまだ幼い子供なの。
こんな異能欲しくなかったって泣きじゃくって、どうすればいいかわかんなくて、ただ呪うことしか出来なくて・・・」
「異能じゃなくて、あの子自身を見てあげればきっと変われる」
「・・・」
「鏡花ちゃんだってそう」
「夜叉白雪、あれは元々鏡花ちゃんのお母さんの異能なんでしょ?」
「!? 何故知っておる!?」
「私は無名の酒場の店主。そう言えば納得してもらえるかな?」
「むな・・ なるほどのぅ、鴎外殿の言っておった」
「鏡花ちゃんも近いうちに知ることになる。
私結構好きなんだよね、夜叉白雪!」
「夜叉が好きとは、変わっておるのぅ」
「社長の異能で制御が利くようになったら、鏡花ちゃんに対してすっごい過保護になるんだから!
多分、我が子に与えてあげられなかった分の愛情を夜叉を通じてあげているんだろうね・・」
いいなぁ。そういうの・・
「鏡花のことをとても想ってくれておるのじゃの」
「そりゃあお母さんのいの
「お主のことじゃよ」
「え?」
「話しておる時のそなたの表情を見ればわかる。Qのことも・・。そんなお主が何故そのような目をしておるのじゃ?」
「・・実はね、さっき私Qちゃんの異能にかかってたの」
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チョコミント - 面白いです! (9月18日 19時) (レス) id: d1016c78dc (このIDを非表示/違反報告)
Wiyu(プロフ) - 名無しのインティライミさん» わぁああありがとうございます! 合格できるよう頑張ります!! (2019年1月17日 19時) (レス) id: 282d795185 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのインティライミ - 受験頑張ってください!応援します!いつまでも待っているので、無事合格するのを願っていますよ!! (2019年1月17日 6時) (レス) id: 24c67caab3 (このIDを非表示/違反報告)
Wiyu(プロフ) - ヨルさん» キャー(≧∇≦) ありがとうございます! 頑張ります!! (2019年1月12日 1時) (レス) id: 282d795185 (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - 受験頑張ってください!来年でも再来年でも何時でも待ってます! (2019年1月12日 1時) (レス) id: dd4205d183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Wiyu | 作成日時:2018年9月23日 2時