願わくば健やかに ページ36
(あいつ…一体何を考えてやがる)
夜、少女は寝付けずゾルディック家屋敷付近を散策していた。
酷く冷たく感じる夜風が少女の短い髪を揺らす。
(『お前に弄ばれた、哀れな子供』)
(…まるで自分が弄ばれたみたいに言ってた)
「ああーっ！くそ！お前が餓鬼の頃なんてまだ産まれてすらねーっつーの！！」
ぐしゃぐしゃと髪を掻き回す。…あいつには、心を揺さぶられてばかりで腹が立つ。
(キルアにも結局会えてないし！独房の場所聞くの忘れたし！)
少女が一人百面相をしていると、不意に視界に1本の大きな木が入った。
…そこには見覚えのあるスケボーが立て掛けられている。
「あ！キルアのスケボー！」
少女は駆け寄り、スケボーに手を伸ばす。しかし何者かがそれを妨害した。
「！？」
(…女？…武器はステッキか)
少女もそれは軽々と避け、攻撃を仕掛けた人物を睨みつける。
「しっ失礼しました！！」
「…え」
攻撃を仕掛けた人物は、少女に向かって頭を下げた。突然の事に、当然少女の頭は混乱する
「私はてっきり、侵入者が入ったのかと」
「は、はぁ」
…私は侵入者の筈なんだけど。
「…申し遅れました、私はカナリアと申します。ここゾルディック家の執事見習いをしている者です。」
「カナリア…さん。私はAと言います」
「はい。既に知らされております。『貴重な客人だ。丁重にもてなせ』と」
「きゃ、客人！？」
知らぬ間に随分と格が上がったものだ。
「それにしてもA様、何故このような場所に。この場所は屋敷から大きく外れた所になりますが。」
「え、うそ」
確かに、振り返って見ると屋敷の姿が何処にもない。…知らぬ間に迷子になっていたようだ。
「もしよろしければ、誰か執事の者をお呼びして送らせましょうか？」
「あー、そうですね。その方が……」
そこまで言って少女はふと考える
「貴方はなんでこんな時間にこんな所に？」
「ここから先に侵入しようとする者を排除するのが私の役目なので。」
「あれ、でも私が侵入した時は貴方と鉢合わせ無かった様な」
「…それは、A様が道を逸れてしまったからだと」
「………」
カナリアは丁寧にオブラートに包んでくれた。が、流石に今の状態を見てわからない少女ではない。
(私って、方向音痴なんだ…)
「じゃあ、まだ此処を守らなくちゃダメってことか」
「はい。主の命令は絶対なので。」
「ふーん、あ、じゃあさ、」
「ちょっとの間一緒に居ていいかな。」
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かぴばら2(プロフ) - ネオさん» コメント今気付きました！申し訳ないです！思わず零れたような好き、ありがとうございます！！！これからも更新頑張ります！！ (2021年2月17日 21時) (
レス) id: a02d4950c9 (このIDを非表示/違反報告)
ネオ - 好き、 (2021年2月4日 20時) (レス) id: 58fc4bb18d (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら(プロフ) - 赤トンボさん» いや、優しさに甘えてはいけません！！(戒め)少し前まで鬼滅で息を吸ってハイキューで息を吐く生活だったので、次からHHで息を吸ってこの作品で息を吐く生活に戻します！もう末期ですね！本当にありがとうございます！更新頑張ります！！ (2020年4月11日 7時) (レス) id: 90b4b3f2c9 (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら(プロフ) - レイカさん» ち、違うんだ！あいつらが、あいつらが誘惑してきたんだー！！！この世はエモい物に溢れすぎている…。土曜日とは言ったものの深夜帯になるかもしれません！！申し訳ない！ミュージカルアニメ漫画見ていっぱい更新するぞ！！ (2020年4月11日 7時) (レス) id: 90b4b3f2c9 (このIDを非表示/違反報告)
赤トンボ - 最近この作品を見始めました。とても面白いです!鬼滅とかハイキューなど面白いのでしょうがないないですよ(笑)作者さんのペースで話を書いても全然大丈夫ですよ！ (2020年4月10日 11時) (レス) id: d4227617d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かぴばら x他1人 | 作成日時：2019年9月11日 0時
