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ぎぎぎ、と重い音を立て、扉が開く。流石ゾルディック家。扉ひとつにしたってレベルが違う。
「じゃあね、ゼブロさん。手当してくれてありがとう」
「あ、はぁ。」
…まあ、それに挑む者のレベルもそこらの輩とは段違いなのだが。
少女は笑ってゼブロに手を振る。大きな音を立てて『6』と書かれた扉は閉まった。
「まさか、あんな子供がねえ……。」
道なりに進んで…いや、道からだいぶ逸れた林の中を少女は歩く。
「何処だ、ここ」
本当に何処だここ。右も左も分からない、屋敷に向かっていた筈なのに、なんで周りには木々しかないんだ?
(そうだ、上からなら見えるかも)
少女は木の上に登る。木のてっぺんからは満点の星空が見えた。綺麗だ、なんて感想は出ず、もうこんな時間だったのか、と少女は絶句した。
「やーしーきーは〜っと、」
少女は見渡すが、どこもかしこも木、木、木
「広すぎるだろ!!」
方角の目星すら見つからない。なんだここは。こんな事ならゼブロさんに道聞いとくんだったなぁ。
少女は木から降りようと、そうした時、何者かの気配がした。
振り返ると…誰も居ない。気のせいか、なんて思ってはいけない。ここはゾルディック家の敷地内。何が起きても不思議じゃない。
「誰だ、誰か居るのか」
返事はない、それはそうだろう。ここで返事をするバカはいない。
少女は練をし、戦闘に備える。
…さあ、こい。どこからでも来い
「素晴らしい練だ。」
背後から声がする。嘘だ、背後なんて取られないように細心の注意を払っていたのに。
「これで10歳そこら…発展途上か。将来が楽しみだ」
「誰だっつってんだろ!答えろ!」
この少女、ゾルディック家という存在に対して遠慮が無くなってきた。荒々しく叫ぶ。未だ敵の姿は確認出来ていない。
「俺は、ゾルディック家の主」
そして闇の中から姿を現したのは、キルアと同じ銀の髪を持つ屈強そうな男。
「シルバだ。君とは仲良くしていきたいと思うよ」
早速、ラスボスの登場だ。
「残念だけど、キルア以外のこの家の人間に関わる気は全くないんだ。」
「ほう、キルア。どうした、キルアに会いに来たのか?」
「いや、そんなんじゃない。」
「攫いに来たんだ。」
少女の言葉に、シルバは息を吐く。
「そうか、それなら」
「俺も親として、子を守らねばな」
少女はその言葉を鼻で笑った。
「よく言うよ」
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かぴばら2(プロフ) - ネオさん» コメント今気付きました!申し訳ないです!思わず零れたような好き、ありがとうございます!!!これからも更新頑張ります!! (2021年2月17日 21時) (レス) id: a02d4950c9 (このIDを非表示/違反報告)
ネオ - 好き、 (2021年2月4日 20時) (レス) id: 58fc4bb18d (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら(プロフ) - 赤トンボさん» いや、優しさに甘えてはいけません!!(戒め)少し前まで鬼滅で息を吸ってハイキューで息を吐く生活だったので、次からHHで息を吸ってこの作品で息を吐く生活に戻します!もう末期ですね!本当にありがとうございます!更新頑張ります!! (2020年4月11日 7時) (レス) id: 90b4b3f2c9 (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら(プロフ) - レイカさん» ち、違うんだ!あいつらが、あいつらが誘惑してきたんだー!!!この世はエモい物に溢れすぎている…。土曜日とは言ったものの深夜帯になるかもしれません!!申し訳ない!ミュージカルアニメ漫画見ていっぱい更新するぞ!! (2020年4月11日 7時) (レス) id: 90b4b3f2c9 (このIDを非表示/違反報告)
赤トンボ - 最近この作品を見始めました。とても面白いです!鬼滅とかハイキューなど面白いのでしょうがないないですよ(笑)作者さんのペースで話を書いても全然大丈夫ですよ! (2020年4月10日 11時) (レス) id: d4227617d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かぴばら x他1人 | 作成日時:2019年9月11日 0時