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「あー、良かった。これで戦闘解除だね」
キルアの肩をぽんぽんと叩く。イルミ以外の時間が止まったみたいだ。
「ははは、嘘さ。ゴンを殺すなんて嘘だよ。」
イルミはヒソカの視線を感じながら言った。少女の次に鋭い視線をイルミに向けていたのはレオリオでもクラピカでもなく、ヒソカだった。
(全く、この師弟は…)
長年一緒に居ると好みも似てくるのか。
「お前がらしくない事を言うから試してみたんだよ。」
「でも、これでハッキリした。」
「お前に友達を作る資格は無いよ。」
キルアの頭を撫でながら言ってやると、背後から気配を感じる。
振り下ろされた腕を軽く避けると、Aが金の目を虚ろに揺らめかせて、こちらに再び襲いかかってきた。
「あはは、そっか。Aに関しては訂正して無かったから怒ってるのかな。大丈夫、安心しなよ。Aを半殺しにするってのも嘘さ。」
「うるさい」
「…友達に資格なんて要らない。」
絞り出すように呟いてから、再び少女が襲い掛かる。仕方がない、と針で応戦するイルミ。
しかし少女のソレを止めたのは意外にもヒソカであった。
腕を引っ張り、手で少女の目を覆う。真っ暗になる視界の中、うなじに強い衝撃が走った。
「おやすみ」
だらん、と少女がヒソカの腕の中で倒れる。
その様子をレオリオとクラピカが驚いたように口を開けて見ていた。
「愚弟子が試験の邪魔をして悪かったね♤」
「さあ、試験を続けようじゃないか」
当たり前のように進行するヒソカ。レオリオが何か言おうとしたが、クラピカがそれを止める。
「やめておけ、あいつの行動は正しい。」
「……私達に、あのAが止められたか?」
クラピカは自身の手のひらに目をやる。そこには数箇所に渡って切り傷が出来ていた。レオリオにも同様の傷がある。
少女を抑えつけた時、すでに
「っくそ!」
レオリオは自分の無力さを悔いた。
「結局その後、レオリオ氏とクラピカ氏がいくら声をかけても、キルア氏に響いた様子はありませんでした。」
「そして…第七試合、レオリオ氏対ボドロ氏が開始したと同時です。」
「一瞬でした。…キルア氏はボドロ氏の腹部を貫き、失格となりました。」
「意図的に失格したものと思われます」
サトツのその言葉を聞いて、ゴンはベッドを飛び降りた。
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かぴばら2(プロフ) - ネオさん» コメント今気付きました!申し訳ないです!思わず零れたような好き、ありがとうございます!!!これからも更新頑張ります!! (2021年2月17日 21時) (レス) id: a02d4950c9 (このIDを非表示/違反報告)
ネオ - 好き、 (2021年2月4日 20時) (レス) id: 58fc4bb18d (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら(プロフ) - 赤トンボさん» いや、優しさに甘えてはいけません!!(戒め)少し前まで鬼滅で息を吸ってハイキューで息を吐く生活だったので、次からHHで息を吸ってこの作品で息を吐く生活に戻します!もう末期ですね!本当にありがとうございます!更新頑張ります!! (2020年4月11日 7時) (レス) id: 90b4b3f2c9 (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら(プロフ) - レイカさん» ち、違うんだ!あいつらが、あいつらが誘惑してきたんだー!!!この世はエモい物に溢れすぎている…。土曜日とは言ったものの深夜帯になるかもしれません!!申し訳ない!ミュージカルアニメ漫画見ていっぱい更新するぞ!! (2020年4月11日 7時) (レス) id: 90b4b3f2c9 (このIDを非表示/違反報告)
赤トンボ - 最近この作品を見始めました。とても面白いです!鬼滅とかハイキューなど面白いのでしょうがないないですよ(笑)作者さんのペースで話を書いても全然大丈夫ですよ! (2020年4月10日 11時) (レス) id: d4227617d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かぴばら x他1人 | 作成日時:2019年9月11日 0時