+１９７+午後の部 ページ2
ＰＭ３：５０
声がした方に目を向け「なんでしょう？」と問う。
言い方が厳しかったのでしょうか？
先程から動揺しているような、狼狽えているような反応で
なんともハッキリしない彼女。
あまり周囲にいるタイプではないから若干どう対処すればいいのか悩む。
「これ、私…」
もってきたバッグ、食材を一瞥して何かを言おうとする様
なんとなく何を言おうとしているのかは察しが付くが
彼女がそれを拒否するほどの自立した生活環境でもないのに…頷けない。
『遠慮をしている暇があったら衣食住、とまでは言いませんが
人並みの生命維持ができる状態にすべきです。
何より、鍛錬をするなら食事睡眠は基礎中の基礎。
欠かしてはなりません。
明日から短時間鍛錬にお付き合いします、そのための準備は整えてください。』
言うだけ言って満足したのでそのまま踵を返し始める。
出口に向かう私にまだ何か用があるのか
ぱたぱたと走ってきた彼女、振り返れば彼女は言葉を詰まらせながら
そのさらに奥でバッグの中身を物色する二人の姿があった。
『…あれはもう貴女に挙げたものです。
誰が食べようが、どうしようが貴方の自由ですよ。権利は貴女にある。』
彼女の言いたかった、問いたかったものに応えられたのか
少しだけ嬉しそうに頷いて「ありがとう」と一言を置いて立ち去っていった。
その背を数秒だけ見て、私も雲雀邸へと戻った。
ＰＭ４：０５
例の彼女には会えましたか？と微笑みながら問う老師に
一言謝ってから午後の修業を開始する。
夕方また誰かの修業を見に行かねばならないので
午後の修業は激しいものではなく、２通り。
１，並盛の街を屋根伝いに走り回る。…正確には追いかけっこ。
ただひたすら老師を追い続ける、この時音を立てるのはご法度だった。
更に私は耳栓をする。
自分が音を立てたかすらあやふやで老師のことも視線で追わねばならない。
これがなかなか難しい。足元を疎かにすると落ちそうになる。
２，耳栓と目隠しをして「気」のみで
音を立てずに八方のどこかにいる老師の位置を特定する、というもの
慣れてきたら老師が攻撃を仕掛けたり
老師のペット？の小猿「リーチ」にも手伝ってもらう予定だった。
ちなみに今は「２」の気の扱いを体得中。
『……。』
雲雀邸内で慣れているせいか、目が使えない状態でも
外壁・縁側までの距離も景石の位置もぼんやりと把握していた。
それでも、５回に１度誤った方向を指差す自分がいた。
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優波 - お話とても素敵です！続き楽しみにしています。更新頑張ってください！ (12月26日 0時) (
レス) @page31 id: bb04c2cc27 (このIDを非表示/違反報告)
睡-ｽｲ-(プロフ) - 蜜柑さん» 先の見通しを立たせるのに時間を要し、お返事も先延ばしにしていてすみませんでした……。また少しづつ書いていけたら、と思っていますのでお暇な時にでも覗いていって下さったら幸いです。 (2022年4月25日 14時) (レス) id: ab84331ee7 (このIDを非表示/違反報告)
睡-ｽｲ-(プロフ) - お稲荷さん» お時間をいただく返事、更新で申し訳ありません。先の展開に少し見通しが経ったのでまた時間がある際に更新していくので宜しければまた覗いていってくださいね (2022年4月25日 14時) (レス) id: ab84331ee7 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - とても面白く一気読みしてしまいました！！次の更新も楽しみに待っています！ (2022年2月27日 11時) (レス) id: 33c0f3033a (このIDを非表示/違反報告)
お稲荷(プロフ) - 設定やストーリーがとても自分好みで、つい何度も読み返してしまうほどのお気に入りの作品です。更新再開を楽しみに待ってます！ (2022年2月11日 11時) (レス) @page14 id: 12617f35c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：睡-ｽｲ- | 作者ホームページ：https://twitter.com/sleep_d_urtk?s=09
作成日時：2021年8月14日 19時
